ニューヨーク、ロサンゼルス、ハワイ……アメリカ旅行といえば、このあたりを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。でも実は、アメリカの首都ワシントンD.C.にも、ほかの都市では味わえない特別な魅力がたくさん詰まっています。
それにもかかわらず、日本からの観光客は意外と少なめ。2023年の訪問者数は約3万4,000人で、全体のわずか1.76%にすぎません。それってもったいない!
この記事では、ワシントンD.C.がなぜ日本人に「不人気」とされるのか、その背景と理由を探りながら、実はここでしか味わえない魅力をたっぷりとご紹介していきます。
目次
日本人観光客はなぜワシントンD.C.を避けがちなのか?

知名度の問題と「政治の街」というイメージ
「ワシントンD.C.って、なんか堅苦しそう…」
多くの人が、ワシントンD.C.と聞いてまず思い浮かべるのは「アメリカ大統領がいる場所」「ニュースでよく出る議会の映像」といった、政治的なイメージかもしれません。観光地というより、“真面目すぎる街”という印象が先に立ってしまうのです。
さらに、「自由の女神」や「ハリウッド」といった強いビジュアルのアイコンがないことも、日本での知名度が低い理由のひとつ。
実際、日本人がアメリカ旅行で選ぶ都市ランキングでは、ワシントンD.C.はいつも上位に入ることがありません。
アクセスの不便さと情報不足
成田や羽田からの直行便はあるものの、便数は限られています。しかも乗り継ぎが必要な場合は、ニューヨークやシカゴ経由で時間も体力もかかります。
また、ガイドブックや旅行サイトでも、ニューヨークやハワイに比べると、D.C.の観光情報はかなり少なめ。日本語の現地ツアーも充実しているとは言い難く、「よくわからないから選ばない」という状態になってしまっているのが現実です。
実はこんなにすごい!ワシントンD.C.の魅力

スミソニアン博物館群は全部無料!
ワシントンD.C.が誇る最大の観光資源のひとつが、なんといってもスミソニアン博物館群。
航空宇宙博物館、アメリカ歴史博物館、国立自然史博物館、アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館など、20以上のミュージアムが集結していて、しかもすべて入場無料!家族連れでも学生でも、気軽に本物の展示を愉しめます。
たとえば航空宇宙博物館には、アポロ11号の司令船やライト兄弟の初飛行機が展示されており、子どもも大人も夢中になること間違いなし。
桜がつなぐ日米の縁、「全米桜まつり」
1912年、東京市から贈られた約3,000本の桜が、今もポトマック川沿いで毎年春に美しい花を咲かせています。
この桜を中心に行われる「全米桜まつり(National Cherry Blossom Festival)」は、ワシントンD.C.最大級のイベントのひとつ。パレードや花火、和太鼓や書道のパフォーマンスなど、日本文化を取り入れたイベントも多く、日本人観光客にとっても親しみやすい時間を過ごせます。
まるでアメリカにいながら、日本とつながっているような不思議な感覚が味わえるのも、この街ならでは。
歴史と自然が同居する「歩ける街」
D.C.の魅力は、その「コンパクトさ」にもあります。ホワイトハウス、リンカーン記念堂、ワシントン記念塔、国会議事堂…多くの名所が徒歩圏内に集まっていて、1日でかなりのスポットを巡ることができます。
また、街中に木々が多く、公園もたくさん。美術館めぐりに疲れたら、ナショナルモールの芝生に寝転んでひと休み。都会と自然がうまく調和しているところも、他都市にはない心地よさです。
訪問者数は急増中!これから注目の都市
2023年、ワシントンD.C.を訪れた日本人観光客は約3万4,300人。前年比でなんと315%も増加しました。
これは、コロナ後の渡航再開による需要の回復はもちろん、ANAやユナイテッド航空による直行便再開の影響も大きいです。また、観光局が「The One and Only Washington, D.C.」という新スローガンを掲げて、政治だけではない観光の楽しさを積極的に発信していることも、徐々に日本での認知度を高めている理由です。
もしかすると、これからD.C.は「穴場」から「定番」へと変わっていくかもしれません。
自分だけのD.C.を見つけに行こう
ワシントンD.C.は、たしかにハワイのようなリゾート感はありませんし、ラスベガスのような派手さもありません。でも、その代わりに「本物」がたくさんあります。歴史の重み、無料で楽しめる文化施設、緑豊かな街並み、日本とつながる桜の風景――すべてがここだけにしかない体験です。
少しの勇気と計画があれば、思ったよりずっと気軽に訪れることができます。次のアメリカ旅行、ちょっと視点を変えて、「自分だけのD.C.」を探しに行ってみませんか?