海外旅行で楽しみといえば旅先での観光のほか、レストランやホテルの食事という方も多いのではないでしょうか。
日本人にとってアメリカ料理はとても身近な存在ですが、やはり現地で食べる料理は日本で食べるよりも一味も二味も違い、旅に彩りを添えてくれます。
しかし、「所変われば品変わる」と言われているように、日本とアメリカのレストランでは食事のスタイルが大きく異なります。
特に好きなものを自分で自由にとって食べられるビュッフェ形式のレストランでは、多くの日本人がうっかりやってしまい、現地の方からあまり良い目で見られない、といったことがよくあります。
そこで今回はワシントンD.C.に旅行する際、現地のビュッフェ形式のレストランで恥を欠かないために知っておきたいことを紹介します。
目次
そもそも「ビュッフェ」とは、バイキングとの違い
ビュッフェとは、元々フランスの簡易食堂「buffet(バフェ)」を指します。
そこから列車内や劇場などで振舞われる、立食形式の食事を言い表すようになり、現代では立食だけでなく、座って食事をする場合でもセルフサービス形式の食事全般を指すようになりました。
一方バイキングの発祥は日本の帝国ホテルで、1958年にスカンジナヴィアの食べ放題形式の両売りをメニューに取り入れ、帝国ホテルに因んで「インペリアル・バイキング」として提供されたのが始まりです。
そのため、ビュッフェはセルフサービスの食事、バイキングは食べ放題の料理ということができます。
セルフサービスと食べ放題の違い、西洋料理の基本をマスター
多くの日本人にとって、食べ放題のレストランといえば自分で好きなだけとって食べることが多いので、セルフサービスのビュッフェとの違いがいまいちよく分からないと思われるでしょう。
しかし、西洋料理の基本さえ押さえておけば、セルフサービスのビュッフェと食べ放題のバイキングの違いは一目瞭然です。
元々西洋料理とは西ヨーロッパ発祥の料理全般を指し、バイキングの元となったスモーガスボードも含まれます。
しかし、日本では明治から昭和にかけてフランス料理が西洋料理として大々的に紹介されたことから、「西洋料理=フランス料理(フルコース)」のイメージが今でも深く根付いています。
また、国賓を招く時などに開かれる宮中晩餐会では日本料理ではなく、フランス料理のフルコース形式で提供されます。
そこで当サイトでは、「西洋料理=フランス料理のフルコース形式で提供される料理」という前提で紹介します。
フランス料理のフルコース一例
Wikipediaによると、フランス料理のフルコースは次のようになっています。
- スープ
- 魚料理
- ロースト以外の肉料理
- ソルベ(シャーベット)
- ローストの肉料理
- 生野菜
- 甘味
- 果物
- コーヒー
フルコースと記載されていても、レストランによってはソルベを省いたり、肉料理を一つにするところもあります。
アメリカのレストランもこれに倣っていますが、前菜とスープ、生野菜、一部の魚料理と肉料理をまとめて前菜カテゴリーに、主に火を通した魚料理と肉料理はメイン、甘味と果物はデザートカテゴリーに記載されていることが多いです。
そのため、アメリカ料理のフルコースは次のようになると言って良いでしょう。
- 前菜(冷たい料理と温かい料理から1品づつ、またはいずれか1品)
- メイン(魚料理、または肉料理)
- デザート
ビュッフェとはセルフサービスのコース料理
これまでのことを踏まえると西洋料理とは、基本的に前菜から始まりデザートで終わるコース料理のことを指すといえます。
そのため、ビュッフェとはこれらの料理を順番通りに1品、または2品ずつとって、自分でコース料理を作って食べる食事形式ということができます。
一方、バイキングはそれ自体が一つの料理ですので、前菜とかメイン、デザートなどと言った概念がなく、好きなタイミングで好きな料理を、好きなだけとって食べられる食事形式と言えるでしょう。
旅行者がビュッフェ形式の食事をする機会があるのは主にホテルの朝食
個人旅行、パッケージツアー 問わず、日本人旅行者がワシントンD.C.でビュッフェに遭遇する機会が多いのは、ホテルの朝食ではないでしょうか。
朝食ビュッフェでは、主にパンとヨーグルト、シリアル、焼きベーコン、ジャーマンポテト、スクランブルエッグなどが並んでいて、一見するとそれらを自由に好きなだけとって食べられそうなため、多くの日本人旅行者は好きなものを好きなだけとって食べるでしょう。
しかし、ビュッフェはセルフサービスのコース料理のため、朝食もその形式に倣うことでホテルの雰囲気を崩さずに済むでしょう。
朝食スタイルはコンチネンタルとアメリカン
西洋料理の朝食スタイルは主に、パンとヨーグルト、フルーツなどの火を通さない料理から成るコンチネンタル朝食と、トーストや焼きベーコン、スクランブルエッグなど火を通した料理から成るアメリカン朝食の2種類です。
そこで、ビュッフェ形式の朝食の場合も、これに倣って料理をとって食べるのが基本となり、好きなものを何でもかんでもとって食べるのはあまり好ましくありません。
また、同じカテゴリーの料理をとりに行くのはせいぜい2回までにしておきましょう。あまり何度も席を立って料理をとりに行くと、周りからはあまりスマートに映りません。
もちろん、自分でとった料理は残さず食べるのが基本で、食べきれないと分かっていてたくさん料理をとったり、食べきれなかった料理を持ち帰ったりするのはマナー違反です。
特にワシントンD.C.のホテルには、世界中からそれなりのVIPが来客するので、恥ずかしい思いをしないためにも、ビュッフェ本来の意味を理解して出かけたいものですね。
ワシントンD.C.のビュッフェで優雅なひと時を
日本ではビュッフェもバイキングもあまり意識して区別されていませんが、アメリカをはじめ、西洋諸国でははっきりと区別されています。
特にワシントンD.C.には、世界中から多くの人が集まり、彼らの意識もそれなりに高いので、ちょっとした行動でその人の第一印象が決まってしまうと言っても過言ではありません。
旅を思いっきり愉しむためにも、現地の文化を理解して出掛けるのは大切なことですね。
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