ホワイトハウスなどを舞台とした作品は数多くありますが、その中の1つに『デーヴ』という作品があります。1993年に上映されたコメディ映画で、監督をアイヴァン・ライトマン、主演をケヴィン・クラインが務めました。
この作品は、大統領の代役に抜擢された主人公デーヴが、次第に人としても政治家としても開花していくストーリーになっています。初めは一夜限りの代役という話だったのですが、大統領が脳卒中で倒れてしまったので、副大統領に実権をとられたくない大統領補佐官に説得され代役を継続することになりました。
国民のためを想う公務を続けていくうちに、主人公は大統領のファーストレディや、補佐官の悪事に加担していた報道官の心を解いていきます。そして補佐官を辞めさせ、本物の大統領が亡くなったタイミングで副大統領に諸々の政策を引き継いで、主人公がホワイトハウスを去り、地元で市議をめざしているところで物語は終わります。
目次
劇中での設定や背景と実際のワシントンD.C.の比較
ペンシルヴェニア通りは1995年に封鎖され、現在は歩行者のみが行き来できる
大統領の就任パレードや国民のデモなどでよく使用されている通りです。1995年に車両通行を封鎖したのはオクラホマシティ爆撃への対処のためでしたが、それ以降も封鎖したままにすることが決まりました。
映画の中で使われている大統領専用車は市販されていたリンカーンだが、当時実際に使われていたのは特別仕様のキャディラック
映画が公開された当時、時の大統領、ビル・クリントンは1993年モデルのキャディラック・フリートウッド・ブロアム・リムジンに乗っていました。ちなみに、1代前のブッシュ大統領はリンカーン・タウンカーをベースにしたリムジンを使用していました。
合衆国議会議事堂の廊下として使われた場所は、ミレニアム・ビルトモア・ホテル
政界をテーマにしたストーリーなため、実際に政治が行われている場所が舞台となりますが、現地での撮影許可はおりませんでした。ホワイトハウスは実際の内部を忠実に再現したセットを用意して撮影したそうですが、合衆国議会議事堂の廊下でのシーンは、ミレニアム・ビルトモア・ホテルで撮影されました。ロサンゼルスにあるこのホテルはロケ地として有名で、ミッション・インポッシブル3やスパイダーマンなどの撮影にも使用されたようです。監督が手掛けた『ゴーストバスター』シリーズでもロケ地になっています。
作中との違い探しの旅も面白い
様々な事情によって、作中での設定や場所が実際とは異なっていることは多々あります。そこでがっかりするのではなく、違いを比較して愉しむのも旅のあり方の1つではないでしょうか。
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