アメリカ合衆国大統領の公邸であり、大統領が執務を行う官邸でもある「ホワイトハウス」は、まさに世界の政治の中心を担う建物と言えるでしょう。
世界的に有名なホワイトハウスですが、春と秋の2回、一般人を対象とした観光ツアーを行っています。現在、ホワイトハウスの内部見学は、誰でもできるというわけではなく、連邦議会議員を通しての申し込みが必要です。
誰でも入れるわけでないと聞くと、余計入りたくなるのが人間の性、今回はホワイトハウスの内部を見学する方法について、実際に内部を見学したことのある当方が紹介します。
一般観光客が見ることのできるホワイトハウスの部屋
ホワイトハウスの見学では、ホワイトハウスの歴史や、歴代大統領の写真などが展示されているイーストコロナード、大統領の胸像やファーストレディの肖像画が立ち並ぶグランドフロアの回廊など、テレビで見たことのある有名な場所を見学でき、どの部屋も見ているだけでアメリカの培ってきた歴史を感じることができます。
ここでは一般の観光客が見ることのできるホワイトハウスの代表的な部屋を少しだけ紹介します。
イーストルーム
イーストルームは、ホワイトハウスのレジデンスの東側に位置する最も広い部屋の一つです。この部屋は、大統領が外国元首を迎えたり、記者会見を行ったりする場所としても知られています。また、この部屋には、初代大統領ジョージ・ワシントンと妻であるマーサの肖像画が展示されています。
グリーンルーム
グリーンルームは、ホワイトハウスの東側に位置する部屋で、イーストルームとブルールームの間にあります。この部屋は、大統領が会談や会食をするために使われることがあります。また、グリーンルームは、第3代大統領トーマス・ジェファーソンが晩餐会で使用した部屋としても知られています。
ブルールーム
ブルールームは、ホワイトハウスの南側に位置する部屋で、グリーンルームとレッドルームの間にあります。この部屋は、大統領が正式なイベントや式典を行うために使われることがあります。また、ブルールームには、クリスマスの時期になると中央に巨大なクリスマスツリーが飾られます。
レッドルーム
レッドルームは、ブルールームとステートダイニングルームの間にあります。この部屋は、大統領やファーストレディが私的な集まりをするために使われることがあります。
ステートダイニングルーム
ステートダイニングルームは、レジデンスの西側に位置する部屋で、大統領が外国元首を招待しての晩餐会などに使われます。この部屋には、ホワイトハウスのシンボルでもある鷲の彫刻が飾られていて、他の部屋に飾られているものよりも間近で堪能できます。
この他にも普段テレビなどでは見られないゲストの控え室や回廊など、見どころ満載です。
見学には事前の申し込みが必要


ホワイトハウスの内部見学は、同時多発テロが起こる以前であれば、ホワイトハウス・ビジターセンター前で配布される整理券を手にすることができれば、誰でも予約せずに見学できました。しかし現在は、希望訪問日の3週間前までに、住所を管轄する連邦議会議員への申し込みが必要であり、さらに審査を通過した人のみしか見学できません。
また、外国人であれば、ワシントン市内にある各国の大使館を通して申し込みができますが、日本大使館では、申し込みを受けつけていません。
If you wish to visit the White House and are a citizen of a foreign country, please contact your embassy in Washington, DC for assistance in submitting a tour request.
外国人の方でホワイトハウスを見学したい場合は、ワシントンD.C.にある大使館を通してツアーの申し込みをしてください。
White House 公式サイトより
ホワイトハウス見学ツアーについて,同ホームページには,外国籍者(米国籍以外)が見学を希望する場合は,ワシントンに所在する自国の大使館へ問い合わせるよう案内がありますが,当館ではホワイトハウスの見学の申請を受け付けておりません。
在アメリカ合衆国日本国大使館公式サイトより
そのため、アメリカの政府機関で働く知人などに議員を紹介してもらうなど、何らかのコネがないと、日本人の見学はかなり難しいと言えるでしょう。
外国人でも直接議員に申し込みできるか?
日本大使館では個人向けにホワイトハウスの内部見学を受け付けていませんが、他の国の大使館でも個人での見学を受け付けていないところが多く、日本人だけでなく、外国人全般ホワイトハウスの内部見学はハードルが高いと言えます。
そうなると何らかの形で議員の紹介を手に入れる方向になりますが、ホワイトハウスの公式サイトでは住所を管轄する議員となっています。
いくつかのウェブサイト上で住所関係なく議員のホームページから申し込みができると記載されているものもありますが、あくまでも非公式の情報ですので何かあった場合でも自己責任となります。
また、内部見学ツアーは申し込みの手続きが早い順に埋まっていきますが、それに加えて個人のバックグラウンドチェックがあります。
チェックされる内容を知る手立ては残念ながらありませんが、外国人として申し込むにあたっては過去にアメリカでの不法滞在歴がないことと、その他の犯罪歴がないことが審査通過の条件と考えて良いと思います。
そのため、見学したい場合はできるだけ早く議員の紹介を手に入れ、所定の申し込みフォームに記載する必要があります。
記載する情報は次のとおりです。
- 氏名
- 誕生日
- 社会保障番号(合衆国市民、永住民のみ)
- 市民権がある国
- 性別
- 居住している住所
個人情報を記入し、議員事務所に送れば特に何もすることはありませんが、このあと合衆国政府側で申込者のバックグラウンドチェックが行われ、ホワイトハウス入館に差し支えがないと判断されると見学日の3週間くらい前に審査結果が伝えられます。
政府の審査が完了した順に枠が埋まっていきますので、申し込みは早ければ早い方が良いということです。
万が一見学できない場合でも必ず議員事務所から連絡が来ますので、気長に待ちましょう。
知り合いにアメリカ人がいる場合は見学できる可能性あり

日本大使館ではホワイトハウスの見学申し込みを受け付けていませんが、知り合いにアメリカ人がいる場合はそのコネを使ってみる価値アリです。
ホワイトハウスの内部を見学したいと思う多くは「アメリカが大好き」、「今までにアメリカに行ったことがある」という方ではないでしょうか?
特に学生の時に留学やホームステイなどで一度でもアメリカに行ったことがある方は連絡先などを交換してることが多いと思いますので、思い切って相談してみましょう。ひょっとしたら議員事務所の申し込み窓口を紹介してもらえるかもしれません。
ちなみに、ホワイトハウスの内部見学は日本人にとってかなりハードルが高いですが、合衆国議会議事堂は誰でも予約なしで中に入ることができます。せっかくワシントンD.C.に行くのですから、議事堂の内部を見学するのもなかなか良いです。
申し込みをしなくても、ホワイトハウスを見学する方法
ホワイトハウス内部の見学は、連邦議会議員への申し込みをしなければ、通常は入館できません。しかし、ホワイトハウスでは、庭を見て歩くことができるガーデンツアーを、春と秋の年に2回開催しており、無料で見学できます。ガーデンツアーの情報はホワイトハウスの公式ウェブサイトにアップされますので、こまめにチェックしましょう。
また、北側のラファイエット広場が広がるペンシルヴェニア通りからは、ホワイトハウスの全貌を眺めることができます。柵越しに写真撮影もできるので、記念写真を撮る多くの観光客でにぎわっています。
お子様連れの場合は、毎年イースターの時期に行われるイースターのエッグハントに参加することができます。参加した子供達には、大統領夫人からサイン入りの木製エッグをもらうことができ、大変人気のあるイベントです。こうした機会を利用して、間近でホワイトハウスを見学しても楽しいですね。
ホワイトハウスを見学する方法はいろいろある
ホワイトハウスの内部を見学するには、連邦議会議員などへの申し込みが必要となりますが、ガーデンツアーやイースターのエッグハントなどのイベントに合わせてホワイトハウスを訪れて見学する方法もあります。イベントは早い者勝ちなので、公式ウェブサイトなどでイベントが開催される日程をこまめに確認するようにしましょう。また、ペンシルヴェニア通り沿いからでしたら、いつでもホワイトハウスを眺めることができます。
ホワイトハウスの見学方法まとめ
- ホワイトハウスの見学方法は大きく分けて3つ
- 敷地の外から眺める
- 敷地の外から眺める分には誰でも事前の予約なしでできる
- 敷地の中に入る
- 敷地の中に入るには年2回行われるガーデンツアーか、イースターのイベントに参加する
- ホワイトハウスの建物の中に入る
- 建物の中に入るには事前に以下の3つのうち、いずれかの方法で申し込みをする
- アメリカに住んでいる場合は住所を管轄する合衆国議会議員に申し込む
- 外国人はワシントンD.C.に駐在する大使館に申し込む
- 大使館が申し込みを受け付けていない場合は知り合いのアメリカ人に頼む方法もある