アメリカ合衆国大統領の公邸であり、世界の政治的中心地でもあるホワイトハウス。観光地としても人気のスポットです。
真っ白な外観で有名ですが、実はその内部にはカラフルな部屋が並んでいます。赤・青・黄・緑といった色がそれぞれの部屋の壁などにほどこされており、部屋の名前にもその色名がつけられています。
今回はその中から、ブルールームについて詳しく見ていきます。
ブルールームの部屋のかたちは民主主義の象徴
ブルールームは、ホワイトハウス1階の中心に位置する楕円形の部屋です。各国からの国賓・外交官を迎えるための、レセプション用の部屋として伝統的に使われています。
壁際に椅子が並んでおり、賓客はそこに通されます。それを迎える大統領が部屋の中央に立つと、どの賓客ともほぼ等しい距離で接することができます。民主主義の象徴として、この楕円形という形が取り入れられました。
部屋の名前にある「青」は、窓にかかるサテンのカーテン、天井と壁との境界近くにかかるスワッグカーテン、椅子やソファーをはじめとする家具、床に敷かれたベルベットのカーペットに見ることができます。壁の模様は全て絵で、その模様を含め部屋のいたるところに「金」の色もあしらわれており、青との調和は最も美しい部屋を演出しています。
また、クリスマスツリーが飾られるのもこの部屋です。毎年部屋の中央にツリーが設置され、その年のテーマで飾り付けがされます。
大統領が変わると部屋もその姿を変える
ホワイトハウスはそこに住む大統領が変わるごとに、その内部の部屋の内装も姿を変えてきました。
中でもケネディ大統領夫人はホワイトハウスについて、国民が誇りに思えるこの国で最も素晴らしい家でなおかつ国の歴史を伝える博物館のような役割を果たさなければならないと語り、彼女の感性においてリフォームや家具などの管理に積極的に取り組みました。壁やカーテンは若さ・気品が感じられる明るいものにし、絵画や家具といった調度品は国内の骨董業者から仕入れ、アメリカ文化を象徴するような空間への改装を果たしました。
テレビでこの内部の様子が公開されると、その素晴らしさは政府のイメージアップに貢献し、費用以上の効果をもたらしたとされています。
現在のブルールームは1995年、当時の大統領であるウィリアム・ジェファーソン・クリントンによって改修されたため、ケネディ時代のブルールームを観ることはできませんが、当時の面影を残しつつより華やかな印象に仕上げられています。
洗練された美しい部屋ブルールーム
歴代大統領の移り変わりとともに細かな表情を変えつつも、伝統と美しさが引き継がれてきたブルールーム。
深く美しい青と鮮やかな金で彩られた楕円形のこの部屋は、ホワイトハウスの中でも重要な賓客を招き入れるための大切な一室です。
特別なツアーに参加できる方は、ぜひその目でブルールームの素晴らしさを感じてください。