ホワイトハウスの140人もの座席数のある大食堂「ステートダイニングルーム」、皆さんもニュースで晩餐会の様子をご覧になったことがありませんか?そこにある暖炉には、第2代アダムズ大統領の言葉が刻まれています。「願はくはこの館で統治するすべてのものが賢く、かつ誠実な者であることを。」この言葉をご存知でしょうか?
どこにある?ステートダイニングルーム
まず、ステートダイニングルームは、どの位置にあるのでしょうか。
ホワイトハウスは、3つの建物から成りますが、中央のレジデンス、大統領の「住居」にあたる部分の、日本で言う2階の部分にあります。エントランスホールから、グリーンルーム、ブルールーム、レッドルームの前を横切り西側へ進むとそこがステートダイニングルームです。国賓を迎えた公式晩餐会は、ここで行われます。
この部屋の北側にあるファミリーダイニングルームは、入って右の扉の先にありますので、ステートダイニングルームから覗き込むことが出来ます。ファミリーという名称ですが、実際は小規模な公式・非公式の夕食会に使用され、大統領の家族が日常使用することはありません。
第16代大統領エイブラハム・リンカーンの肖像画の下には…
ステートダイニングルームに入ってまず目を引くのは、正面中央のエイブラハム・リンカーンの肖像画でしょうか。この肖像画は長年にわたってこの位置を占めています。
ですが、ぜひ見てもらいたいものが、この肖像画の下にある暖炉です。この一角に刻まれている言葉、「願はくはこの館で統治するすべてのものが賢く、かつ誠実な者であることを。」です。
これは、外観は完成したものの、内装工事中のホワイトハウスに移り住んだ第2代大統領ジョン・アダムズが、その妻、アビゲイル夫人に宛てた手紙の一節です。マントルの修復をした際に、第32代大統領フランクリン・ルーズヴェルトの命でここに刻まれました。
ホワイトハウスに主人として住む人が、賢く・誠実な人でありますように。権力者に願わずにはいられない言葉ですね。今後再度修復が行われたとしても、ずっとこの言葉を残しておいて欲しいものです。
「願はくはこの館で統治するすべてのものが賢く、かつ誠実な者であることを。」
ステートダイニングルームには、見どころも多く、シャンデリア、カーペット、カーテン、部屋の内装の素晴らしさに心を奪われてしまいます。ですが、過去の言葉に感銘を受け、時代を超えても心を打つ大統領の言葉を刻んだ暖炉も、ぜひご覧になってください。
ホワイトハウスに行ったら、見逃したくないスポットの一つとしておすすめします。