旅先で一番多くの時間を過ごす場所は現地の観光場所やレストランではなく、宿泊するホテルです。
旅先でしか観られない美しい建物や景色、現地でしか味わうことのできない食事など、日常生活では決してできない体験ができるのが、海外旅行の魅力と言えるでしょう。
しかし、個人旅行、パッケージツアーに関わらず、現地の観光スポットやおいしい食事などに目を奪われて、体を休めるためのホテルに関してはあまり注目することは多くないのではないでしょうか。
今回は海外旅行で一番多くの時間を過ごすホテルについて、日米の違いに焦点を当てて紹介していきます。
ワシントンD.C.のホテルで快適に過ごすために、サービス面から見る日米のホテルの違い
アメリカだけでなく、海外旅行に出かけると多くの日本人は日本のサービスの質が高いことに感心するでしょう。
日本は世界的に見てサービス大国と呼ばれており、大抵の場合追加の料金を支払わなくても上質なサービスを受けることができます。
しかし、アメリカをはじめ海外ではサービスは商品の一部として捉えられ、日本で当たり前と思っているサービスでも追加の料金を支払わないと受けることはできません。
特にLuxury Hotelと呼ばれているクラスのホテルではそれが顕著で、部屋のグレードが日本のホテルよりも細かく分けられているだけでなく、wi-fiや冷蔵庫など、部屋の設備に至るまで別料金であることが当たり前になっています。
また、ホテルでは欠かすことのできないチップですが、チャックインからチェックアウトまで、関わった人全てに相場のチップを支払わなければならない点も、日本のホテルとは異なります。
アメニティから見る日米のホテルの違い
日本のホテルに泊まる際、歯ブラシや髭剃りなどは大抵ホテルで用意してくれるので、着替えだけ持っていけば現地で困ることはほぼないでしょう。
しかし、アメリカのホテルには一般的に衛生用品と呼ばれているものは用意されていません。
これは衛生用品に対する考え方の違いから来るもので、日本ではサービスの一環であるのに対して、アメリカでは直接体に触れる衛生用品はお客様の体の延長線であると捉えられているからです。
そのため、「衛生用品に関してはお客様の責任のもとで管理してください。」というのがアメリカのホテルの考え方と言えます。
ホテルステイを彩る朝食は日米の違いが最も顕著に現れる
ホテルでの楽しみの一つといえば個人旅行、パッケージツアー関わらず、朝食ではないでしょうか。
朝食の形式はホテルによって異なりますが、日米ともに大きく分けてビュッフェ形式かオーダー形式の2つに分けられます。
日本のホテルにはどちらの形式でも日本食が用意されていますが、アメリカのホテルでは当然のことながら、一部の日系ホテルを除いて日本食のメニューはありません。
そのため、多くの日本人旅行者は必然的に洋食を食べることになりますが、ここに日米の大きな違いがありますので、注意しておきたいポイントです。
ホテルの朝食はコンチネンタルかアメリカン
ホテル朝食と聞いてまず思い浮かべるのはパンとスクランブルエッグやオムレツなどの卵料理、ハムやベーコンなどの焼いた肉料理などではないでしょうか。
日本のホテルに宿泊すると、これらの朝食は洋食をオーダーすれば普通についてきますし、ビュッフェの場合も好きにとって食べることができます。
しかし、アメリカのホテルではこれらの火を通した料理はアメリカンブレックファストと呼ばれ、追加料金を支払わなければならない場合があります。
特に朝食込みのプランを予約した場合は、コンチネンタルブレックファストのみのプランになっていることが多いので、事前にしっかりと注意書きを確認しておきましょう。
コンチネンタルブレックファストとはヨーロッパ大陸発祥の朝食スタイルで、ベーグルやデニッシュ、シリアル、ヨーグルト、フルーツの盛り合わせなど、パン以外は火を通していない料理からなるメニューのことで、アメリカンブレックファストと比べてボリュームが少ないのが特徴です。
もともとヨーロッパでは朝食よりも昼食やアフタヌーンなどを愉しむ文化が栄えたため、朝食のボリュームが必然的に少なくなったという経緯があります。
日本人からすると朝食のボリュームが少ないのは不満なことが多いですが、「郷に入っては郷に従え。」西洋文化を肌で感じるいい機会ですので、是非ともコンチネンタルブレックファストをじっくり味わってみてください。
ワシントン D.C. のホテルでコンチネンタル朝食を愉しむ
旅先でうっかりしないために、日米の違いを事前に把握
アメリカは日本人にとって一番身近な海外の一つであるため、日本の延長線上のような考えで出かけてしまいがちですが、知らなかったがために現地で気づかないうちに相手に不快な思いをさせてしまうことがあります。
特にホテルは旅行中で一番長い時間を過ごす場所なので、うっかりのミスが旅行全体を台無しにしてしまうだけでなく、後からくる日本人にも良い印象を持たれなくなってしまう恐れがあります。
そうならないために、日米のホテルの違いを事前にしっかりと把握して旅に出かけましょう。