ワシントン記念塔やリンカーン記念堂など、ワシントンD.C.にはアメリカの歴史的出来事を記念して建てられた記念碑が数多く存在しています。
中でも市内の中心に広がる広大な芝生地帯、ナショナルモール周辺にはツアーで訪れる定番スポットからちょっと奥まったところにある記念碑まで、その数は他のアメリカの都市と比べても群を抜いています。
アメリカが歩んできた歴史を間近で体感できるこれらの記念碑ですが、中には観光客が訪れる際に気をつけておかなければならない場所もあります。
そこで今回は一般の観光客がワシントンD.C.の記念碑を訪れる際に気をつけておきたいポイントと、具体的にどこの記念碑で拾遺しなければならないのかについて解説します。
ワシントンD.C.にある記念碑で最も気を遣うべき場所は戦争にまつわる記念碑
アメリカの歴史は開拓の歴史と言っても過言ではありません。
大陸を東から西へと開拓し、やがて第二次世界大戦が終わると社会主義の拡大を防ぐと言う大義名分のもと、ヨーロッパとアジアを中心に資本主義の国を建てるべく、戦争を繰り広げてきました。
中でも朝鮮戦争とヴェトナム戦争は苦戦を強いられ、多くの犠牲者を生むこととなってしまいました。
これらの戦争の悲惨さを後世に伝えるべく、ワシントンD.C.にはヴェトナム戦争慰霊碑と朝鮮戦争記念碑が隣り合って建てられています。
これらのモニュメントは、日本発のパッケージツアーには行程に組まれていないことが多いですが、フリープランや個人で行く方に向けて、訪れる際に注意すべきポイントを解説します。
今もなお犠牲者の親族が訪れるモニュメント
ヴェトナム戦争慰霊碑と朝鮮戦争記念碑がある場所はナショナルモールの北西、リフレクティングプールとコンスティテューション通りの間にあり、辺り一帯は昼間でも静けさを保っています。
特に、ヴェトナム戦争慰霊碑には犠牲となった方の親族が今でも花を手向に訪れたりしているので、正直言って観光客が容易に訪れる場所とはいえない雰囲気に包まれています。
しかし、これらの記念碑を観ることで戦争の悲惨さを体感できるのであれば、行っておくことをお勧めします。
記念碑を訪れる際には戦争で犠牲となった方や訪れている親族に対し、敬意を払いましょう。また、周辺を歩く際、他の人とすれ違った場合は声をかけず軽くアイコンタクトをとる程度に、一緒に旅行している人がいる場合は会話は慎み、記念碑を離れるまで静寂を保ってください。
なお、これらの場所での写真撮影は基本控えておくべきですが、あとで思い返すときにどうしても写真に撮っておきたいという場合は、人が完全にいないことを確認して撮影するか、遠くから撮影するようにしてください。
国家に多大なる貢献を果たした数多くの兵士が眠るアーリントン墓地
リンカーン記念堂の西に架かるメモリアルブリッジを渡った先に、アーリントン国立墓地があります。
そこには第35代大統領ジョン・F・ケネディと妻のジャクリーンの墓や、身元が特定されていない兵士を弔う無名兵士の墓などがあります。
アーリントン墓地では、観光客向けにこれらの墓をトラムで巡るツアーを催行していますが、墓地でありテーマパークではないので、訪れる際は召天者に対し最大限の敬意を払いましょう。
こちらもヴェトナム戦争慰霊碑と同様、墓の前では会話は慎み、静寂を保ってください。
また、無名兵士の墓では毎正時に衛兵交替式が行われますが、これも儀式でありショーではありません。
写真を撮る際はカメラのシャッター音が鳴らないように設定しておくか、動画モードで撮影するようにしてください。
記念碑を訪れる際に一番大切なのは最大限の敬意を払うこと
ワシントンD.C.と周辺の地域にはアメリカの歴史的出来事を記念した建物が建ち並んでいます。
それらの記念碑の多くは歴史的人物の偉業を記念して建てられたものですが、中には負の遺産を後世に伝えるべく建てられたものもあります。
これらの記念碑を訪れる際、最も大切なことは記念碑に関わる全ての人に対し最大限の敬意を払うことです。
ワシントンD.C.に限った話ではありませんが、敬意を払って記念碑を訪れることで、その背景にある出来事を全身で体感し、視野を広げることができるのではないでしょうか。
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