アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.にある「ホワイトハウス」は、政治的な中心地であるだけでなく、アメリカ大統領の公邸と家族の住まいでもあります。外観は白亜の宮殿のような美しさで、世界的に有名な建物です。しかしながら、その名前からも想像されるように、外観とは異なり、内部には様々な色がテーマになった部屋があります。今回は、そんなホワイトハウスの内部にある、アメリカの歴史や文化を反映した部屋たちを、実際にホワイトハウスの中に入った筆者がご紹介します。
世界的に有名なホワイトハウスの外観と内部のギャップ
まずは、ホワイトハウスの外観と内部のギャップについて説明します。ホワイトハウスは、その名前からも想像されるように、白い外壁が特徴的です。しかしながら、内部には「色」がテーマになっている部屋があり、実はとてもカラフルなのです。
ブルールーム:青が選ばれた各国の国賓を迎える部屋
ホワイトハウス1階にあるブルールームは、各国からの国賓や外交官を迎えるための部屋です。もともとはレッドがテーマカラーでしたが、1837年の改装時に青が選ばれ、以来青が使われています。部屋の中央には、18世紀フランス製のシャンデリアが吊り下げられており、床には白と金色の紋章が施されたカーペットが敷かれています。
レッドルーム:歴代大統領夫人たちが愛用した会合やミーティングの部屋
ホワイトハウスの1階、ブルールームの西側にあるレッドルームは、歴代大統領夫人たちが愛用した会合やミーティングの部屋です。名前の通り、部屋のテーマカラーは赤色で、壁には18世紀末から19世紀初頭にかけて流行したレッド・デコレーションというスタイルのペイントが施されています。また、大統領夫人たちが愛用した家具や装飾品も展示されています。
グリーンルーム:19世紀初頭のアメリカ家具と緑の壁紙が特徴の部屋
ホワイトハウスの1階、ブルールームの東側にあるグリーンルームは、19世紀初頭に流行したアメリカ家具と緑の壁紙が特徴的な部屋です。大統領が客人を迎える応接室として使われています。また、グリーンルームには19世紀の初頭に作られたアメリカ製の椅子やソファーなど、当時のアメリカの家具の歴史が感じられる品々が展示されています。
イエローオーバルルーム:大統領のプライベートなお客を迎える応接室
ホワイトハウスの2階、ちょうどブルールームの真上にあるイエローオーバールルームは、大統領がプライベートなお客を迎えるための応接室です。部屋のテーマカラーは黄色で、名前の由来は、1780年代にフランスのルイ16世が建てたヴェルサイユ宮殿の「オーバル・サロン」からきています。イエローオーバルルームには、大統領の前任者や妻、子どもたちなど、大統領にとって身近な人たちが頻繁に訪れることが知られています。
ホワイトハウス内部にはさまざまな政治的意味合いが反映されている
ホワイトハウスの内部は、アメリカ合衆国の政治的意味合いが反映された建築的なデザインやインテリアで満たされています。各部屋のテーマカラーや家具、装飾品には歴史的背景があり、それぞれが政治的な役割を果たしていると言えます。たとえば、レッドルームは歴代大統領夫人たちが集まって政治的な会合を行う場所であり、グリーンルームは大統領が客人を迎える応接室として使われています。イエローオーバルルームは大統領のプライベートなお客を迎える場所であり、政治的な人脈を構築するために利用されています。このように、ホワイトハウスの内部はアメリカ合衆国の政治と密接に関わりがある場所と言えます。
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