ホワイトハウスやリンカーン記念堂など、日本人にもなじみ深いワシントンD.C.ですが、それらの観光スポットはあまりにも有名過ぎて、日本のみならず世界中から多くの観光客が押し寄せます。
そのため、常に人で溢れかえっていてのんびり過ごしたい方にはあまりおすすめの場所とは言えません。
そこで、今回は定番の観光コースでは物足りない方に向けて、ワシントンD.C.のちょっとディープな見どころをピックアップしました。
なお、こちらで紹介する観光スポットは日本発着のパッケージツアーには含まれていませんので、個人手配かフリープランで現地までの航空券やホテルなどを予約してください。
自分のペースでゆったり愉しむ、ちょっとディープなワシントンD.C.
日本発着のパッケージツアーにはワシントンD.C.の1日市内観光がついていて、リンカーン記念堂やホワイトハウスなどを巡った後、航空宇宙博物館とナショナルギャラリーに立ち寄るという、まさにド定番のコースになっています。
こちらのコースではワシントンD.C.の定番を観ることはできても、何度も訪れている方やもっと深くこの街を愉しみたい方にとっては物足りないと感じてしまうでしょう。
そこで今回はワシントンD.C.に行ったら是非とも立ち寄って欲しいちょっとディープな観光スポットを6カ所紹介します。
フォード劇場とピーターセンハウス
ワシントンD.C.の目抜き通りであるペンシルヴェニア通りから10番通りを北に向かって2ブロック目に行くと、右側に赤レンガ造りの古い建物が見えてきます。
そこは歴史的な惨劇が起きたフォード劇場で、1865年4月14日第16代大統領エイブラハム・リンカーンが観劇中に狙撃されたことで有名になった劇場です。
リンカーン大統領は狙撃によって頭部に致命傷を負った後、通りを隔てたところにあるピーターセンハウスに運ばれ、翌日息を引き取りました。
入り口には彼がこの世をさった日付と時刻、歴史的遺産とすべく合衆国が買い取ったことを示す碑文が刻まれています。
聖ヨハネ教会
セント・ジョンズ教会として知られるこの教会はホワイトハウスから一番近い場所にあり、大統領がしばしば礼拝に訪れていることから、「大統領の教会」として知られています。
クリーム色の古代ギリシア建築を彷彿とさせる建物は非常の特徴的で、市内でも異色の雰囲気を漂わせています。
中に入ると壁や天井もクリーム色で統一されていて、正面の聖壇には大理石が多く用いられています。
また、天井付近に開けられた大小様々な窓にはステンドグラスが埋め込まれていて、聖堂内に柔らかな光が差し込んできます。
ジョージタウン歴史地区
合衆国が建国する以前からタバコの貿易などで栄えたジョージタウンには植民地時代の面影が今でも多く残っています。
中でもメインストリートとなるM通りには、市内に現存する最古の建造物であるオールドストーンハウスや、お洒落な佇まいのお店が数多く点在しています。
また、通りから路地を南に入っていくとチェサピーク・オハイオ運河があり、夏の間はクルーズツアーに参加することができます。
さらにM通りを西に進むと左側に大きな橋が見えてきますが、そのたもとに小さな公園があります。そこはアメリカ合衆国の国歌を作詞したフランシス・スコット・キーの記念公園で彼の功績を称えた碑文などが所狭しと並んでいます。
ジョージタウン地区はワシントン市内にありながら定番とはまた違った見どころが数多くあり、どれも日本ではなかなか観ることのできない佇まいをしているので、この地区にホテルをとって旅をするのもおすすめです。
ワシントン市内でインスタ映えする写真を撮りたい方や、スイーツやカフェ巡りをしたい方にとって、ジョージタウンは外せません。
ワシントン大聖堂と大使館通り
ジョージタウンからウィスコンシン通りを北に進むと右側に壮麗なゴシック建築が見えてきます。
そこは1990年に完成したワシントン大聖堂で、大統領の就任礼拝や国葬なども行われる大変重要な場所となっています。
建物の内外には大小様々な礼拝堂があり、毎日どこかで必ず礼拝が行われています。
建物の南側には司教の庭と呼ばれる庭園が広がっていて、四季折々の草花を愉しめるだけでなく、カフェも併設されていて、ランチどきには多くの信徒や観光客で賑わっています。
礼拝を行うための大聖堂ですが、一方で一般観光客にも開放されていて、無料のハイライトツアーから立ち入り禁止エリアに入れるツアーまで、様々な角度から大聖堂を観ることができます。
ワシントン大聖堂はウィスコンシン通りに面していますが、敷地の南側を走るマサチューセッツ通りを進んでいくと通りの両側に各国の大使館が建ち並んでいます。
このことからマサチューセッツ通りは「大使館通り」とも呼ばれていて、各国の国旗がたなびく姿を観ると、改めてここが国際的な街であることを実感するでしょう。
無原罪の御宿りの聖母教会
ワシントン大統領がプロテスタントの大聖堂なら、こちらはローマ・カトリックの大聖堂です。
ユニオン駅からメトロ・レッドラインに乗り、ブルックランド・アメリカ・カトリック大学駅で降りてミシガン通りを西に進むと、ひときは高い塔とドーム型の屋根が見えてきます。
中に入ると壁には大小様々な彫刻、天井には鮮やかなフレスコ画があり、ワシントン大聖堂とはまた違った神聖な雰囲気を味わうことができます。
ただし、こちらの大聖堂はワシントン市内でも治安があまり良くない東地区にあるので、明るいうちに観光するか暗くなってからはタクシーで移動するなど、細心の注意を払ってください。
ワシントン運河沿いのウォーターフロント
ジェファーソン記念堂の前に広がるタイダルベイスンからポトマック川とアナコスティア川の合流地点までを流れるワシントン運河沿いは、再開発によって新たな商業施設が続々と誕生し、ワシントニアンから注目を集めています。
ザ・ワーフと呼ばれるボートハウスを中心にバーやレストラン。ホテルなどが立ち並び、夜遅くまで多くの人で賑わっています。
ここではポトマック川やチェサピーク湾で取れた新鮮な魚介類を格安で味わえますが、中でもおすすめなのが5月から7月の短い期間でしか味わえないソフトシェルクラブです。
脱皮したての蟹の身はとても柔らかく、クラブケーキとともにワシントンD.C.の名物料理となっています。
定番だけではない、ちょっとディープなワシントンD.C.
ワシントンD.C.といえば政府機関の建物やナショナルモールに点在する記念碑、博物館などが有名で、パッケージツアーなどではほぼ漏れなく巡りますが、それだけがこの街の魅力ではありません。
これらの観光スポットからちょっとだけ外れたところには、有名観光スポットでは味わえないワシントンD.C.の一面を垣間見ることができます。
今度の休日はフリープランを手配して個人でワシントンD.C.を訪れてみてはいかがでしょうか。
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