1865年、アメリカ合衆国の歴史に深く刻まれた一幕。フォード劇場での観劇中、エイブラハム・リンカーン大統領が暗殺された瞬間。大統領専用ボックスで巻き起こった悲劇の舞台裏を知ることで、歴史の背景が一層深まります。当時の状況を振り返りながら、リンカーン大統領の最期の瞬間やその後の出来事が、フォード劇場や向かいのピーターセンハウスでどのように展示され、どのような印象を残しているかを探求してみましょう。
歴史の背景を知ることで重みを増すスポット
1865年、観劇中のリンカーン大統領が暗殺された場所がフォード劇場です。当日リンカーン大統領は、夫人とフォード劇場の2階にある大統領専用ボックスにいました。観劇中のリンカーン大統領は、その大統領専用ボックスに忍び込んでいた犯人に、近距離から射殺されてしまったのです。観劇中の観客も暗殺に気がつかなかったため、ホワイトハウスに運べる状態ではなく、向かいのビルであるピーターセンハウスで処置がされましたが、翌朝に息を引き取りました。そんな暗殺現場である大統領専用ボックスは現在も残されており、そこには初代大統領ジョージ・ワシントンの肖像画と星条旗が飾ってあります。そしてフォード劇場の地下は、リンカーン大統領に関する博物館になっているため、人気の観光スポットになっています。
フォード劇場向かいの通りのビルにあるピーターセンハウス
リンカーン大統領が息を引き取った場所であるピーターセンハウスは現在、リンカーン大統領の葬儀に関するものや、犯人に関するものが展示されている博物館になっています。リンカーン大統領が、撃たれた後に運ばれて手当を受けた部屋や、リンカーン大統領夫人や息子の待機していた部屋も見学できるようになっています。また吹き抜け部分には、リンカーン大統領に関する出版本が積み上げられて、タワーが出来ています。手で積み上げられたタワーもですが、出版本の多さから、リンカーン大統領がいかに合衆国市民に愛されていたかがわかります。また、リンカーン大統領が暗殺された日に、被っていたシルクハットは、スミソニアン歴史博物館の一つである、国立アメリカ歴史博物館に展示されているので、そちらにも足を運んでみたいですね。
入場にはチケットが必要
フォード劇場もピーターセンハウスも入場料は無料ですが、見学にはチケットが必要になるため予約が必須となります。チケットは共通で事前予約には手数料が必要になりますが、人気の観光スポットのため、待ち時間のロスを考えれば、多少の手数料を支払ったとしても時間通りに見学できるように工夫するのは、有効な手段かも知れません。
現役の劇場で同じ雰囲気を味わう
フォード劇場は現在も劇場として使用されているので、チケットを購入すれば観劇することが出来ます。リンカーン大統領と同じ劇場で観劇をして、タイムスリップしたような感覚に浸れるのも観光の醍醐味ですね。