ワシントン市西部に広がる高級ショッピング街、ジョージタウンからウィスコンシン通りを北に約2マイル、マサチューセッツ通りと交差してしばらく進むと、ひときわ大きなゴシック建築が見えてきます。
そこは全米でも屈指の大聖堂、ワシントン大聖堂で、特定の教派が管轄していない超教派の教会です。キリスト教にはカトリックやバプテスト、メソディスト、聖公会などといった様々な教派に分かれていて、それぞれ考え方が違っていますが、ここワシントン大聖堂はそれらの教派に関係なく礼拝が守られている特別な場所です。
ちなみに、日本ではキリスト教の一派を指すとき、しばしば宗派という言葉が使われますが、キリスト教でいう「Denomination」は「教派」と訳されるので、ここでは教派と呼びます。
郊外の閑静な住宅地に佇む、壮麗な大聖堂
ワシントン大聖堂は観光の中心、ナショナルモールからだいぶ離れたところにあります。ナショナルモールの中心にあるワシントン記念塔から行くには、まず15番通り、または17番通りを北に進み、マサチューセッツ通りを左に曲がります。そこからひたすらマサチューセッツ通りを北西に進み、突き当たりのウィスコンシン通りを右に曲がると、向かって右側にワシントン大聖堂が見えてきます。
ワシントン大聖堂の周囲は閑静な住宅地になっていて、緑豊かな木々とヴィクトリア朝の住宅、そして程よい広さの幹線道路が見事なまでの調和を保っています。また、ワシントン大聖堂の敷地はとても広く、緑が豊かなので地元住人の散歩コースにもなっています。
観光客で賑わうナショナルモールから離れた場所で地元住人に混じって散歩を愉しむなんていうのも素敵ですね。
大使館や副大統領官邸など、マサチューセッツ通りも見どころが盛りだくさん
ワシントン大聖堂を訪れる際にマサチューセッツ通りを利用する方も多いでしょう。マサチューセッツ通りには各国の大使館が立ち並んでいて、様々な国の国旗を見ることもできます。そのため、この通りはエンバシー・ロウという名称でも親しまれています。大聖堂を訪れる時にマサチューセッツ通りを通る方は是非大使館にも注目してみてください。
また、大使館を過ぎると、向かって左側に広大な円形の敷地が見えてきますが、そこには副大統領の官邸と海軍天文台があります。中に入ることはできませんが、広大な緑地の中に白い建物が一瞬だけ見え、ホワイトハウスとはまた違った趣があります。
緑豊かな場所に佇むワシントン大聖堂
ワシントン大聖堂は観光客で賑わうナショナルモールからだいぶ離れたところにあり、一般の日本人観光客はなかなか訪れることはないでしょう。しかし、ワシントンD.C.の愉しみ方はナショナルモール周辺だけではありません。
住宅地に佇む壮麗な大聖堂や、そこに向かう途中にある大使館や副大統領官邸など、ディープなワシントンD.C.を愉しんでみてはいかがでしょうか?