愉しかった旅もいよいよ終盤に差し掛かり、現地の方とお別れの挨拶をするとき、感謝の気持ちを込めて”Thank you.”や”Have a nice day.”などを使う日本人が多いのではないでしょうか。
これらの言葉は日本で教育を受けた方であれば、英語を学習したての頃に誰しもが習う言い回しであり、文章自体も非常に簡単な単語が並んだもので構成されているので、多くの日本人の体に染み付いてしまっているのです。
しかし、現地で”Have a nice day.”という言葉は日本人が想像する「ごきげんよう。」や「良い1日を。」といったニュアンスはなく、むしろ皮肉った言い回しに捕らえられてしまうことがあります。
そこで今回は愉しかった旅を心地よく締めくくるためのスマートな会話術を紹介します。
目次
”Have a nice day.”の本来の意味と皮肉に聞こえてしまう理由
お別れの挨拶として日本人にすっかりお馴染みの”Have a nice day.”ですが、本来の意味はご存知の通り「ごきげんよう。」、「良い1日を。」で間違いありません。
ではいったいどうして皮肉っぽく聞こえてしまうことがあるのでしょうか。
それは”Have a nice day.”の”nice”にあると言われています。
アメリカ人の多くはあまり気にしないようですが、英語発祥の地と言っても過言ではない英国人にとっては特にこの”nice”という言葉を使われることを嫌います。
また、英国だけでなく、英国連邦を構成するカナダやオーストラリアなどの国々でも”nice”という言葉を使いません。
ワシントンD.C.で”Have a nice day.”を使わない方がいい理由
“Have a nice day.”を使わない方がいい理由は分かったが、アメリカなのにあえて使わない方がいいのは何故でしょうか。
理由は簡単で、ワシントンD.C.をはじめ、アメリカには多種多様な価値観を持った人が集まっているからです。
より多くの人に悪い印象を与えてしまいかねない言い回しは避けた方が、お互いにとってメリットなので、”Have a nice day.”は使わないようにしましょう。
“Have a nice day.”の代わりとなるおすすめの言い回し
愉しかった旅を心地よく締めくくる、よりスマートな言い回しとしておすすめなのが、”Have a good day.”です。
“nice”が”good”に変わっただけですが、これだけでより多くの方に好印象を与えることができるのです。
また、”good”を使うことでより多くのバリエーションを使うことができるようになります。
”Have a good day.”の”day”は本来、日の出から正午までを指すので、厳密にいうとこの言い回しができるのは主に午前中のみです。
しかし、現在では午後になってから”Have a good day.”を使っても問題ありません。
よりスマートに会話したい場合は、午前中と午後、夜の時間帯で使い分けることをおすすめします。
日の出から正午まで:
”Have a good day.”(素敵な1日を。)
午後から日の入りまで:
”Have a good afternoon.”(素敵な午後を。)
日の入りからディナー前まで:
“Have a good evening.”(素敵な夕暮れ時を。)
ディナー後から就寝前まで:
”Have a good night.”(素敵な夜を。)
このように、”nice”から”good”に変えるだけで、相手に好印象を与えるだけでなく、あいさつのバリエーションも増えるので、いいこと尽くめと言えます。
“Have a good day.”で素敵な旅の締めくくりを
旅は驚きと感動に満ち、私たちを豊にし、新しい自分へと生まれ変わらせてくれる、とてつもなく大きな力を秘めています。
しかし、旅にはいずれ終わりが来るもの、新しく生まれ変わった自分と旅の思い出を胸に、現地を後にしたいものです。
旅を締めくくる時、お互いに好印象を持って後にできるよう、より多くの人に受け入れられる言葉を使いたいものです。
それでは素敵な1日をお過ごしください。
“Have a good day.”
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