ワシントンD.C.には数多くの魅力的な観光スポットがあり、1年を通して世界中からたくさんの観光客が集まります。
当たり前ですがワシントンD.C.は海外にある街なので、日本からワシントンD.C.に行く際には日本とアメリカとの間で出入国の手続きをしなければなりません。
特に現地での入国審査は海外に渡航する人にとって、一番緊張する場面ではないでしょうか?しかもアメリカの入国審査は世界で最も厳しいと言われているので、海外旅行初心者や英語が苦手だと思っている方にとっては到着早々にして最大の難関とも言えるでしょう。
そこで今回はアメリカの入国審査の仕組みと現地でスマートに通過するための方法を紹介します。
アメリカの入国審査は全部で3段階に分かれている
一般的に入国審査といえば現地の到着空港にあるカウンターで行われる、審査官とのやり取りを想像すると思いますが、アメリカの入国審査は日本の空港を出発する前から始まっていると言えます。
2009年以降、アメリカの市民と永住民以外でアメリカに渡航する全ての人はESTAというインターネット上で行う渡航申請を済ませなければならなくなりました。
このESTAは本人の氏名、日本の住所、勤務先や両親の情報に至るまで、事細かに申請しますが、これはある意味渡航前の事前入国審査といえます。
無事渡航が承認され、アメリカ行きの飛行機に搭乗できる様になり、いざ空港に着くとチェックインカウンターで渡航目的や滞在日数、滞在先などを日本語で聞かれます。さらに飛行機に乗る直前にも搭乗ゲートで荷物に関する質問をされますので、これもある意味事前の入国審査になります。
そして現地の空港に到着し、入国審査場で最終的な審査が行われますので、アメリカの入国審査は実質3段階で入念に行われていることになります。
現地の空港で行われている審査とは
入国審査のコツというテーマは、多くのウェブサイトなどで取り上げていますが、そのほとんどは「どんなことを聞かれるのか?」、とか「こう聞かれた時はどう答えるべきなのか?」と言ったもので、その質問が意味することについて詳しく書かれたものはほとんど見かけません。
まず、入国審査を行う目的として、「アメリカにとって脅威とならないか」を審査するもので、テロリストや犯罪組織に関わっていないかや、不法に滞在してアメリカ人の雇用を奪う様なことはないかといったことを確かめるために行われるのが入国審査というものです。
これを前提に「自分はアメリカにとって脅威にはならない」ということを証明できれば、無事アメリカに入国できるというわけです。
では具体的にどう答えれば良いのでしょうか?
基本的なことは、審査官に聞かれたことに対して正直に、そして簡潔に答えればいいだけです。
「正直に」は当たり前ですが、「簡潔に」とはグダグダと言葉を並べ立てるのではなく、数個の単語で答えるということです。
例えば滞在日数を聞かれたときには「数字とDays」、滞在目的を聞かれたら「観光」など、とにかく短い言葉で的確に答えるだけです。
「ホワイトハウスと、リンカーン記念堂と、合衆国議会議事堂に行くから何日間いる」とか、「ジョージタウンでインスタ映えの写真を撮って、ポトマック川でクルーズ船に乗って、最終日にはワシントン記念塔に登る」と言った様な答えは相手が要求していることではないので、答えない様にしましょう。
もし、「どこに行くの?」とか「何をするの?」と聞かれたらきちんと答えましょう。その場合は「観光」なら観光に関する内容、「短期のビジネス」ならビジネスに関する内容を答えてくださいね。
次に滞在先について聞かれた際にはホテルの名前をしっかり答えてください。
なぜかというと、ホテルに滞在することで相手に一時的な訪問者であることを暗黙の了解で伝えることになるからです。ちなみに、できることならホテルのグレードは4スター以上であることが望ましいでしょう。
グレードの高いホテルに泊まることで、「この人は日本で安定した職に就いていて経済的に余裕がある」ということを審査官に伝えることができるからです。
これは「お金いくら持ってますか?」の質問に対しても言えることで、お金に関しては現地の通貨はもちろん、クレジットカードを持っているか否かが大きな分かれ道になるといえます。
クレジットカードは居住している国で安定した職業に就き、住所がないと発行されませんので、審査官に日本に定住所と定職があることをアピールできる格好のツールとなります。
特にステータスが高いとされているクレジットカードは、その人の社会的信用を示す身分証明証の役割を果たしているとも言え、実際に提示した瞬間、それまでの疑いの念が一転してすぐに通過できたという実例もあるくらいです。
アメリカの入国審査でよく聞かれるフレーズと答えの例
- 「パスポートを見せてください。」
- “Show me your passport.”
- 「どうぞ」
- “Here you are.”
- 「何しにアメリカにきたの?」
- “What is the purpose of your visit to the United States?”
- 「観光です。」
- “Sightseeing.”
- 「滞在期間は?」
- “How long are you stay?”
- 「5日間です。」
- “5 days.”
- 「どこに滞在するの?」
- “Where are you stay?”
- 「ハミルトンホテルです。」
- “Hamilton Hotel.”
- 「お金いくら持ってるの?」
- “How much money do you have?”
- 「現金300ドルとクレジットカード2枚です。」
- “$300 cash and two credit cards.”
- 「アメリカに来たのは何回目?」
- “How many times do you visit in the United States?”
- 「初めてです。」
- “First time.”
- 「職業は?」
- “What is your occupation?”
- 「会社員です。」
- “Office worker.”
- 「同行者はいるの?」
- “Are you visiting alone or with someone?”
- 「一人です。」
- “Alone.”
これらの質問はあくまでも参考であり、実際に聞かれる言い回しは審査官によって異なります。
入国審査は怖くない、正々堂々と的確に答えてスマートに通過
アメリカの入国審査は世界で一番厳しいと言われていて、実際に色々と聞かれることが多いですが、あくまでも「アメリカにとって脅威になる人物」でなければ怖がる必要はありません。
ましてや日本のパスポートを保有している時点で「世界で最も信頼された国からのお客様」とも言えますし、日本を出発する前から2段階で既に入国審査を受けているのですから、現地に着いた時点でESTAの情報や空港で事前に受けた質問の答えと一致していれば、そう怪しまれることはありません。
現地の空港に着いたら恐れずに正々堂々と入国審査に挑みましょう。ちなみに、過去にESTAでアメリカに入国したことがある人は日本語対応の自動端末で入国審査を受けられることがありますので、さらに迅速に通過できますよ。