日本からワシントンD.C.に行くには国際線の旅客機で移動することになります。
その距離はおおよそ6’835マイル(約11’000キロ)にもおよび、時間にすると直行便を利用した場合でも13時間程度もかかってしまいます。
途中乗り継ぎをする場合はもっと時間がかかり、移動だけで最低でも16時間くらいになってしまうでしょう。
そんな長距離を移動する飛行機で楽しみなことといえば機内食と言えるのではないでしょうか。
機内食は旅を彩る思い出の一つになりますが、選んだメニューによってはマズかったりして、せっかくの旅が台無しになってしまうこともあります。
そこで今回は日本からワシントンD.C.の長距離移動で失敗しない機内食の愉しみ方の一例を紹介します。
機内食選びの基本、食事が作られる場所と味付けを事前に把握
機内食で失敗しないコツとして、まず機内食がどこで作られているのかと、機内食そのものの味付けについて把握しておく必要があります。
機内食が作られている場所は出発する空港付近にある専用の工場で、空港に乗り入れている航空会社はそこで作られた食事を出発前に飛行機に搭載します。
そのため、機内食のメニューや細かい味付けは違えど、航空会社が違うからと言って食事自体には大差はないといえるでしょう。
次に味付けについてですが、人間の味覚は高度が上がるにつれて鈍くなると言われています。
そのため、高度約35’000フィート(約10’000メートル)を航行する飛行機の中で提供される機内食の味付けは全般的に濃くなっています。
また、マッシュポテトなどの柔らかい食べ物はより柔らかく、チキンなどの肉類は硬めに仕上げられていますが、硬い食材に関してはプラスチック製のナイフで簡単に切れる程度になっているのが特徴です。
日本発着の国際線で失敗しない機内食の選び方
航空会社によって異なりますが、機内食のメニューは2種類か3種類の中から選ぶことができます。
2種類選べる場合はたいてい一つが日本食で、もう一つはチキンのソテーであることが多いです。3種類選べる場合は2種類のメニューに加えて、パスタなどのベジタリアン向けのメニューになっていることが多いです。
中にはメインのメニューに加えて、付け合わせのサラダも選べる航空会社もあります。
また、長距離路線では選べる機内食が離陸後と着陸前の2回提供されますが、2回目の機内食でも日本食か洋食のどちらかを選ぶことができます。
このように選択肢がある機内食ですが、日本食を選ぶ場合は少しだけ気をつけておきたいポイントがあります。
それは、機内食が作られているのは出発する空港の近くにある工場であるということです。
そのため、日本を出発する便で日本食を選ぶにはあまり問題ないのですが、ワシントンD.C.をはじめ、乗り継ぎ地から日本に向かう便で日本食を選ぶときは日本で作られたものではなく、出発地で作られた日本食であるということを頭に入れておく必要があります。
現地出発の便で日本食を選ぶ際、ご飯が柔らかすぎたり、逆に硬すぎたりすることがありますので、失敗したくない方は別のメニューを選ぶと良いでしょう。
機内食の定番、チキンソテーを味わう
ほとんどの航空会社ではチキンソテーなど、鶏肉をメインにした機内食を選択肢の一つとして提供しています。
これは世界で信仰されているほとんどの宗教で鶏肉が禁食とされていないためで、事前に特別食が用意できなかった場合でもスムーズに機内食を提供できるようになっています。
日本食など、他のメニューと比べてあまり人気がないチキンソテーですが、定番であるがゆえ味付けが安定しているので、どこの空港から乗ってもこれさえ選んでおけば間違いありません。
また、多くの日本人は日本食を選ぶので、敢えてチキンソテーを選んだ際には客室乗務員の態度が変わり、フライト中の待遇が良くなるかもしれませんよ。
食べたいメニューを確実に得るには
選択肢がある機内食ですが、飛行機に搭載できる数は限りがあるのでごく稀に食べたいメニューが選べない場合があります。
食べたいメニューが決まっている場合、チェックイン前にあらかじめリクエストしておくか、できない場合は搭乗時に客室乗務員に伝えておくのが良いでしょう。
ただし、この時は「これが絶対食べたい。」ではなく、「食べられないものがある。」というように伝えておくのが良いです。
また、機内サービスは基本的に前の席から順番に行うので、より確実に食べたいメニューにありつくには前の方の席を予約することをおすすめします。
あえて外資系エアラインを選択するのもあり
日本とワシントンD.C.はANAが直行便を結んでいますが、そのほかにアメリカ系のユナイテッド航空も直行便を結んでいます。
さらに、乗り継ぎ便も視野に入れればアメリカン航空やデルタ航空、エア・カナダも選択肢に入るでしょう。
日本人にはどうしても日系のANAが人気がありますが、あえて外資系のエアラインを選ぶことで機内食争奪戦のライバルを少しでも減らせれば、より確実に希望するメニューを選べるでしょう。
ここで、外資系エアラインの日本食は不味いというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
これは人それぞれの好みかもしれませんが、確かに2010年代半ばごろまではこのような声が多かったのが事実です。
しかし、外資系エアラインもより多くの日本人を取り込もうと工夫しています。
例えば日系エアラインでは有名レストランとコラボしたメニューはビジネスクラス以上などの上級クラスのみで、エコノミークラスではファストフードメニューだったりすることもありますが、外資系エアラインでは座席クラスに関係なく有名レストランとコラボしたメニューを選べたりすることもあります。
長距離のフライトを快適に
機内食は旅を彩る思い出の一つですが、味付けが合わなかったり食べたいメニューが選べなかったりすると最悪旅そのものが台無しになってしまいます。
そうならないためにも機内食について少しでも事前に知っておくことで、より確実に食べたいメニューを選べたり、機内食そのものを愉しめたりするでしょう。