当サイトではワシントンD.C.の魅力とこの街を100倍愉しむための役に立つ情報をお伝えしていますが、そもそもこのサイトのタイトルである『トラベル D.C.』の “D.C.”ってワシントンD.C.のDCのようだけど、そもそもどんな意味?って思われる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は『トラベル D.C.』のDCが持つエピソードを紹介したいと思います。
目次
ワシントンD.C.という名称には2人の人物がいる
アメリカの首都であるワシントンD.C.の正式名称は “Washington District of Columbia”と言い、日本語に訳すと『ワシントン・コロンビア特別区』となります。名称にある特別区とはどこの州にも属さない合衆国政府の直轄地という意味で、その名の通り、ワシントンD.C.は全米50州のいずれにも属していません。
ではここからが本題ですが、ワシントンD.C.という名称はアメリカ史上重要な2人の人物から採られています。まずわかりやすいのが「ワシントン」で、アメリカ合衆国の初代大統領ジョージ・ワシントンが現在の地に新たな首都を建設したことに由来しています。
もう1人は「コロンビア特別区」に隠れていますが、みなさんお分かりになりましたか?
答えは1492年にアメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスで、コロンビアとはコロンブスという名詞が変化したものです。コロンビアといえば南米大陸にあるコロンビア共和国を思い浮かべる方も多いと思いますが、そちらも語源はコロンブスです。
現地の人は「ワシントン」と呼ばない?
日本ではアメリカの首都といえばまず「ワシントン」と答えるでしょう。しかし、この名称はしばしば混乱を生んでいます。
というのも、アメリカには「ワシントン」という地名が意外にも多いからです。中でも有名なのがかつてイチローが所属していたシアトル・マリナーズの本拠地があり、緑豊かな山間と氷河が削った大地が織りなす自然豊かな太平洋岸北西部のワシントン州です。
他にもワシントン郡など、全米のいたるところに「ワシントン」という地名がありますが、それほど初代大統領は多くのアメリカ人にとって誇り高い人物であるということでもあります。
そのため、単に「ワシントン」といった場合、多くのアメリカ人は自分にとって身近なワシントンを指し、ワシントン=首都と認知してくれないことがあります。
そこで多くのアメリカ人は首都のことを「ワシントンD.C.」、または単に「DC」と呼んでいます。当サイトもこれに習って「ワシントンD.C.」、または「D.C.旅行」など、「DC」から派生する言葉を使っています。
ここまで読んでいただいた方はもうお気づきかもしれませんが、サイトタイトルの『トラベル D.C.』はワシントンD.C.の「DC」から派生したD.C.旅行を100倍愉しむためのウェブサイトという意味です。
コロンビア特別区にはかつて多くの街があった
合衆国の首都であるコロンビア特別区には現在、ワシントン市のみが存在していますが、かつては小さな街がたくさんあったということをご存知でしょうか?
もともとこの一帯はポトマック川が流れていることから自然発生的に小さな共同体が多く築かれ、それらが街へと発展してきた歴史があります。有名なのがタバコの交易で栄えたジョージタウンや対岸のアーリントン、そこから南に下ったところにあるアレクサンドリアです。
現在、これらの街の内アーリントンとアレクサンドリアはヴァージニア州にありますが、建国当時はコロンビア特別区の一画を成していました。
これらの街とともにコロンビア特別区の中にワシントン市が存在し、そこに首都機能が置かれていたのですが、1871年のコロンビア特別区自治法によって特別区内にある全ての街がワシントン市に統合され、1つのの自治区の中に1つの市が存在する形になりました。
その後、南北戦争でポトマック川の西側がヴァージニア州に返還されたことでそれまでワシントン市の一角を成していたアーリントンとアレクサンドリアがそれぞれの市として独立し、現在の形になりました。
ワシントンD.C.も州に属する案があった
1790年に新たな首都建設が始まった時、コロンビア特別領として現在の地が選ばれましたが、その際新たに建設される首都も1つの州に属する街とし、州の名前を「ニューコロンビア州」と呼ぶ法案があったものの、却下されたという経緯があります。
これは合衆国はそれぞれの州が緩やかな連合体として1つの大国を築き、諸外国と対等な立場で交易することを目的としたものであり、その首都である街が州に属するのは好ましくないという考えから来ています。
この考えによってどこの州にも属さない連合体の首都が世界で初めて建設され、現在ではブラジルの首都ブラジリアや、オーストラリアの首都キャンベラなど、連邦制を採用している国の多くで見ることができます。
さあ、D.C.旅行に出掛けよう
いかがでしたか?合衆国の首都ワシントンD.C.という名称には様々な歴史的背景があり、多くの人に親しまれています。
日本では単に「ワシントン」と呼ぶことが多いこの街ですが、街の名前の由来を知って出かけると、それまで以上に魅力を感じ、新たな発見があなたを待ち受けていることでしょう。
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