2020年11月3日に行われた大統領選挙で勝利を収めた民主党のバイデン候補が次期大統領に正式に就任することが決定し、7日午後8時(日本時間8日午前10時)、バイデン次期大統領の地元であるデラウェア州ウィルミントンで勝利演説をすることとなりました。
この勝利演説をもって事実上正式に次期大統領となりますが、12月14日、各州の選挙結果に基づいてそれぞれに割り当てられた大統領選挙人が投票を行い、2021年1月6日、合衆国議会が選挙人による投票の結果を発表、1月20日正午、バイデン次期大統領が正式に第46代合衆国大統領に就任します。
バイデン次期大統領の略歴
ジョセフ・ロネット・バイデン・ジュニア
- 1942年11月20日生まれ
- 出身地、ペンシルヴェニア州スクラントン
- 10歳の時、デラウェア州クレイモントに引越し、その後父親が勤める会社がある同州のウィルミントンに引っ越す
- 1973年から2009年、地元デラウェア州代表として合衆国議会上院議員
- 2009年1月20日から2017年1月20日、第44代合衆国大統領バラク・オバマ政権下で副大統領を務める。
- 2020年、民主党の大統領候補として出馬、副大統領候補としてカマラ・ハリス氏を指名
- 同年11月7日、地元ペンシルヴェニアでの選挙戦勝利により、バイデン候補の勝利が確定、第46代大統領に
バイデン次期大統領の主な政権公約と日本人旅行者への影響
- トランプ大統領の意向により離脱したパリ協定への復帰
- 石油産業からの転換、2050年までにCO2排出ゼロの社会を目指す
- 新型コロナウイルス対策として、市民全員に無料検査を提供、それに伴う接触者追跡を実現するために約10万人の雇用を実現
- 課税強化
- 大規模な公共事業への投資、在任期間の4年間で約2兆ドルの資金を投じる計画
- 製造業支援として7000億ドルを投じ、500万人の雇用を生み出す
- 対中政策は基本的に強行路線ではあるが、関税に対しては見直しを進める
- オバマケアを拡充
- 中東、アフリカからの入国制限を廃止
- 合衆国政府予算からの学費支援も認める
- 大学の無料化拡大
- 学生ローンの返済免除
- プレ・スクールでの学習機会を全市民に提供
これらの政権公約のうち、日本人旅行者に影響するのは中東、アフリカからの入国制限廃止と、中国からの輸入製品に対する関税の見直し、そして石油産業からの転換の3つでしょう。
まず、中東やアフリカからの入国規制が廃止されることで、これまでこれらの国への渡航歴がある方はESTAでの入国ができませんでしたが、今後は入国が可能になる見通しがあります。
次に中国からの輸入製品に対する関税の見直しによって、国内に中国製品が増え、現地でのショッピングで中国製品を買ってしまうリスクがあることです。
せっかくワシントンD.C.に旅行に行ったのに、現地で中国製品を買ってしまうのは残念ですよね。
そして石油産業からの転換で、より地球環境に優しい旅ができるようになるということです。
すでにデルタ航空は2020年2月18日、航空業界初の二酸化炭素排出ゼロを目指し、3月1日から10年間で10億ドルを投資する事を発表しています。
全世界の二酸化炭素排出のうち、約2%は航空業界によるものと言われ、デルタ航空の二酸化炭素排出の主な要因は航空機であり、約98%を占めています。
海外旅行で避けて通れない飛行機ですが、これからは航空機を利用する事で地球環境に貢献できる時代になると言えるでしょう。
地球環境と新しいアメリカを体感する旅へ
バイデン氏が勝利し、次期大統領に就任する事で日本人旅行者はよりアメリカへの渡航が身近になるだけでなく、地球環境を意識したエコツーリズムの実現を自然に体感することができるようになります。
これまでアメリカといえば大量生産大量消費による無駄の最たるものというイメージが先行していましたが、バイデン次期大統領による新しいアメリカのもとで思う存分D.C.旅行を愉しみましょう。