航空会社の上級会員になると優先チェックインや優先セキュリティレーン、航空会社ラウンジなど、様々な特典が使えます。
これらの特典はエコノミークラスを利用する場合でも使うことができ、フライトの質が格段に上がります。そこで飛行機をよく利用する人は上級会員を目指して修行をするのですが、達成するには時間とお金をそれなりに費やさなくてはなりません。
もちろん修行中は基本的にステータスがないため、上級会員の特典は一切使えず、一般の乗客と同じように搭乗まで長い列に並ばなくてはなりません。
しかし、ある方法を使うことで上級会員のステータスがなくても上級会員として扱われ、修行中の身であり真柄上質なフライトを満喫することができます。
今回はその方法を紹介します。
目次
ワシントンD.C.行きのフライトで活用できる上級会員
日本からワシントンD.C.にアクセスする際、東京(羽田)からANAとユナイテッド航空が直行便を就航しています。そこで多くの方はANAかユナイテッド航空を利用すると思います。
ANAもユナイテッド航空もそれぞれマイレージプログラムがありますが、ほとんどの修行僧が目指しているのはANAのプラチナ会員です。
なぜかというと、ユナイテッド航空の上級会員であるプレミアゴールド資格は上級会員になってから翌暦年の12月まで有効で、それ以降上級会員を維持するには毎年60回以上飛行機に乗るか、50,000マイル分のフライト実績が必要になります。
それに対し、ANAは一度上級会員になってしまえばSFC(スーパー・フライヤーズ・カード)を取得することによって半永久的に上級会員を維持することができるのです。ちなみに、ANAとユナイテッド航空は両社とも航空連合、スターアライアンスに加盟していて、マイレージプログラムを共有しているので、どちらの飛行機を利用しても自分が貯めているマイレージプログラムにマイルなどが加算されます。
ステータスマッチで上質なマイル修行
会社は利益を上げるために、顧客の囲い込みをしばしば行います。
航空会社も例外ではなく、より多くのお客様に自社の飛行機に乗ってもらおうと他社の飛行機を利用する人に対して優遇措置を取っています。
その1つがステータスマッチと呼ばれるもので、ある特定の航空会社の上級会員を持っている人は別の航空会社の上級会員にもなれるというシステムです。
具体的にはユナイテッド航空と同じアメリカの大手航空会社、デルタ航空の上級会員資格であるゴールドメダリオン を持っている人がユナイテッド航空にステータスマッチの申請をすることで、一時的にユナイテッド航空の上級会員であるプレミアゴールドになれるというものです。
ステータスマッチをするとそれまでの上級会員と同等のサービスを受けることができますので、修行中の身でありながら、優先レーンを味わったりラウンジを満喫したりできます。
ステータスマッチの素、デルタAMEXゴールド
ステータスマッチを活用すると言っても、どこの上級会員もないという日本在住の方、朗報です。
日本ではデルタ航空と提携したアメリカン・エキスプレスのクレジットカード、デルタ・スカイマイル・アメリカン・エキスプレスカードというものを発行しています。
デルタアメックスには2種類あり、通常の青い券面のものとゴールドカードがあります。このうち通常のデルタアメックスは入会から1年間は無条件でシルバーメダリオン、デルタアメックスゴールドにはゴールドメダリオン が付いてきます。
2年目以降は100万円以上の決済でシルバーメダリオン、150万円以上の決済でゴールドメダリオン を維持することができますが、ブルーの券面のデルタアメックスの場合は150万円以上決済してもシルバーメダリオンのままになります。
デルタ航空のシルバーメダリオンはユナイテッド航空のプレミアシルバーに相当するので、ステータスマッチが目的ならばデルタアメックスゴールド一択です。
デルタ航空のゴールドメダリオン を使ってユナイテッド航空のプレミアゴールドに
ANAの上級会員になるために何故ユナイテッド航空の上級会員になる必要があるのでしょうか?
冒頭でも紹介しましたが、ANAとユナイテッド航空はどちらも世界最大の航空連合、スターアライアンスに加盟していて、マイレージプログラムを共有しています。そのため、ユナイテッド航空で上級会員になっていればANAでも上級会員として扱われ、快適なマイル修行ができてしまうのです。
ステータスマッチは必ずしも成功するとは限りませんが、ユナイテッド航空の公式サイトによると、
- 過去5年以内にステータスマッチを申請していないこと
- ステータスマッチ申請後90日以内に12,500マイル分のフライト実績を達成すること
とあり、この条件を満たすことで翌暦年のステータスがプレミアゴールドになります。
ちなみに東京、ワシントンD.C.間のフライトで貯まるマイルは時期によって多少異なりますが、エコノミークラスの場合13,000マイルほどですので1回のフライトでステータスマッチの条件を満たします。
そこで、デルタアメックスゴールドを作ってユナイテッド航空にステータスマッチを申請し、90日以内にワシントンD.C.に旅行すれば翌暦年まで無条件でユナイテッド航空の上級会員になれるということです。
ユナイテッド航空とのステータスマッチ完了後の翌暦年にANAのマイル修行をするか、1年のうち早い時期にステータスマッチを完了している場合は同じ年にANAのマイル修行をし、解脱後にSFCを持つことで半永久的にANAの上級会員になることができます。
ただし、ここで気をつけておきたいポイントがあります。
ユナイテッド航空にステータスマッチを申請して90日以内にワシントンD.C.に飛ぶこと、その際、利用するのはANAを含むコードシェア便ではなく、ユナイテッド航空が運航する自社便に搭乗することです。
ステータスマッチ申請後、自社便ではなくANAの機材などを利用した場合はステータスマッチの条件を満たさないので注意しましょう。
ステータスマッチでワンランク上のマイル修行を
マイレージプログラムの上級会員になるためのマイル修行は時間とお金を消費するだけでなく、体力と精神も消耗する過酷なものです。
そんな過酷なマイル修行を少しでも快適なものにするのがステータスマッチで、日本在住の場合、どこの上級会員になっていなくてもデルタ航空の上級会員になることで同じアメリカ系のユナイテッド航空とステータスマッチすることができ、それを利用して快適なANAのマイル修行ができます。
ユナイテッド航空の上級会員で他の修行僧とはワンランク上のマイル修行を愉しんでみてはいかがでしょうか?
デルタ・スカイマイル・アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
年会費 | 税込28’600円 家族カード1枚無料 |
スカイマイル | 100円で1マイル |
メダリオン会員プログラム | ゴールドメダリオン 2年目以降は150万円以上のカード利用でゴールドメダリオン継続 100万円以上のカード利用でシルバーメダリオン |
空港ラウンジ | 国内空港28カ所、海外1カ所 |
海外旅行保険 | 自動付帯 |
ANAアメリカン・エキスプレス・カード
年会費 | 税込7’700円 家族カード1枚につき税込2’750円 |
メンバーシップ・リワード | 100円で1ポイント |
空港ラウンジ | 国内空港28カ所、海外1カ所 |
海外旅行保険 | 利用付帯 |
ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
年会費 | 税込34’500円 家族カード1枚につき税込17’050円 |
メンバーシップ・リワード | 100円で1ポイント |
ANA SKYコイン獲得プログラム | 1暦年中に300万円のカード利用で10’000コイン加算 |
空港ラウンジ | 国内空港28カ所、海外1カ所 |
優先チェックイン | ANA国際線利用時はビジネスクラスのチェックインカウンターを利用可能 |
海外旅行保険 | 利用付帯 |
スマートフォン・プロテクション | 利用付帯(最大3万円まで) |
ANAアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
年会費 | 税込165’000円 家族カード4枚無料 |
メンバーシップ・リワード | 100円で1ポイント |
ANA SKYコイン獲得プログラム | 1暦年中に500万円のカード利用で30’000コイン加算 |
空港ラウンジ | 国内空港28カ所、海外1カ所 |
ANA国内線ラウンジ | 本会員のみ利用可能 |
プライオリティ・パス | プレステージ会員(通常年会費399ドル) 無制限で本会員と同伴者1名まで無料 |
優先チェックイン | ANA国際線利用時はビジネスクラスのチェックインカウンターを利用可能 |
ホテル・メンバーシップ | なし |
海外旅行保険 | 自動付帯 |
スマートフォン・プロテクション | 利用付帯(最大5万円まで) |