2020年11月3日(日本時間4日)に行われた大統領選挙で民主党のジョン・バイデンとカマラ・ハリス両候補が次期正副大統領に当選しました。
開票当初は現職のトランプ大統領とペンス副大統領の再選が有力とされてきましたが、今回の大統領選挙は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から、郵便による期日前投票が導入され、リベラルな考えを持つ民主党支持者が多く利用すると予想された通り、郵便投票で民主党のバイデン候補が巻き返し、勝利することとなりました。
今回の大統領選挙で選出されたバイデン氏とハリス氏は2021年1月20日正午、合衆国議会議事堂のウエストフロントで宣誓を行い、正式に正副大統領に就任します。
これに伴い、日本人がワシントンD.C.に旅行する際に気をつけておきたいことをまとめました。
大統領が変わっても日本人旅行者にはほぼ影響なし
日本とアメリカは半世紀以上にわたって同盟を結んでおり、一般市民が相互に行き来する上で特別に意識することは必要ありません。
旅行者が現地に着いて一番緊張するであろう入国審査に関しても、ビザ免除プログラムの対象であることからも、他の国と比べて優遇されていますし、その中でも日本で発行されるパスポートは世界で最も信用があるとされているので、過去に犯罪歴や不法滞在歴などがない限り、入国を拒否されることはほとんどないといって良いでしょう。
さらに、保守派のトランプ氏からリベラルなバイデン氏に代わったことでより多様性を受け入れる風潮へと変化することが期待されますので、日本人旅行者にとっては追い風となるでしょう。
ワシントンD.C.は民主党支持者が多い
多様な価値観が存在するアメリカの中でも、ワシントンD.C.をはじめとした東海岸の主要な州は民主党の支持者が多いことで知られています。
今回の大統領選挙でもバイデン氏とトランプ氏の得票率は11月4日の時点でバイデン氏が93%、トランプ氏が5.6%とバイデン氏の圧勝でコロンビア特別区に割り当てられた大統領選挙人3人を勝ち取りました。
そもそも東海岸の主要都市がある地域は20世紀初頭から民主党支持者が多く、彼らがアメリカの多様性を牽引してきた歴史があるので、日本人が現地に行ってトラブルに巻き込まれることはほとんどありません。
逆に困った素振りをしていると現地の人から声かけてきて親切に教えてくれることもあるくらいです。
日本人旅行者が現地で気をつけること
リベラルな考えを持つ人が多いワシントンD.C.ですが、そんな環境だからこそ、日本人旅行者が現地で気をつけておきたいことがあるので紹介しておきます。
まず、現地の人にいきなり話しかけられた場合、気軽について行かないことです。
いくら多様性を受け入れる地域といっても、中には観光客目当てに悪いことを考えている人が近づいてくることもあります。
そのため、相手が話していることを注意深く聞いて、自分が求めていることでなかったらすぐにその場を立ち去りましょう。
次に現地の人と仲良くなった時、政治、宗教、スポーツの話題は極力避けましょう。
特に政治の話はこれら3つの中でも最もデリケートなトピックとされ、支持者集会に参加しない限り、旅行者が口にして良いことはほぼありません。
宗教の話も、教会や寺院などで交流する場合を除いて口にするものではありませんし、スポーツについても、ホームチームを応援する時以外は謹んだ方が良いでしょう。
多様な価値観が織りなすアメリカ
2020年の大統領選挙は民主党のバイデン氏が現職のトランプ氏を抑えて勝利しました。
混乱が続く世の中でこれまでの価値観から脱却し、新しい政治を求める市民の声が反映された結果であると読み取れます。
時にはリベラルに、そして保守に、時代が変化していく中、市民から求められるリーダーが選ばれ、そこに多様な価値観が共存する、これこそがアメリカの魅力であるのかもしれません。