毎年7月4日になると全米各地で独立記念日を祝う様々なイベントが行われます。中でもワシントンD.C.では首都というだけあってその数と内容は多岐にわたっています。
中でも人気が高いのは11時頃からコンスティテューション通りで行われる独立記念パレードと、合衆国議会議事堂のウエストフロントで20時頃から始まるコンサート、キャピトル・フォースですが、そのほかにもワシントン大聖堂やケネディ・センターでのコンサート、そして花火大会まで、1日の間に数多くのイベントが行われています。
それらのイベントは時間帯がずれていて複数参加することはできますが、主催者が異なるので中には重なっているものもあります。それから、開催場所までの移動時間も考慮しなければなりません。ワシントンD.C.は他の主要都市と比べて小さく、交通手段も発達しているので移動時間はさほどかかりませんが、独立記念日ともなると観光客はもちろん、地元の人も多く集まるので、混雑で移動に時間がかかってしまうことがあります。
そこで、今回はワシントンD.C.で独立記念日を効率よく、そして愉しく過ごすための方法を紹介します。
ワシントンD.C.の独立記念日は1日が長い
独立記念日の7月4日は1年の間で最も日照時間が長い時期で、しかも夏時間が適用されているので、日本と比べると1日がとても長く感じることでしょう。
日本(東京)でこの時期だと大体朝の4時頃から明るくなって夕方の7時半頃には暗くなりますが、ワシントンD.C.では朝の大体朝の4時(通常時間で3時)頃には東の空が明るくなって、6時頃には真昼のような明るさになっています。暗くなるのはさらに遅く、9時半(通常時間で8時半)頃にようやく真っ暗になります。
このように日本と比べて日照時間が2時間ほど長いのと、夏時間が適用されていることで自然と活動時間も長くなり、1日をじっくり愉しむことができます。
独立記念日の1日の始まりはどのイベントに参加するかを決めることから
ワシントンD.C.で独立記念日を過ごすのであれば、最低でも2つのイベントに参加するか、1つのイベントに参加して残りの時間を博物館や政府施設を見学する時間に充てたいところですね。
2つイベントに参加する場合は移動時間などを考慮して午前と午後に1つずつ参加することをお勧めします。中でもオススメなのは11時ごろからナショナルモールの北端を走るコンスティテューション通りで行われる独立記念パレードを見学して、夕方は8時ごろから始まるキャピトル・フォースに行くコースです。
ただし、両方とも人気のイベントなのでそれだけ多くの人が集まり、思い通りのロケーションで参加することは難しいです。ちなみに、キャピトル・フォースはテレビ中継もされているのでホテルに戻って、テレビ鑑賞しながら優雅にルームサービスのディナーを愉しむと言うのもアリですね。
独立記念パレードを観に行く際は早めの行動を
毎年多くの人で賑わう独立記念パレードは、騎馬隊や独立宣言が採択された当時の軍隊の制服を身にまとった人たちの列で会場を盛り上げてくれます。
パレードはペンシルヴェニア通りとコンスティテューション通りが交わる分岐点から始まり、ホワイトハウスの南側にあるエリプス西に面している17番通りにかけて行われますが、中でも人気の場所は国立公文書館付近で通りの南側からパレードの様子と国立公文書館の建物が写った写真はよく見かけることができます。
この場所はパレードの起点に近いこともあり、いち早く観ることもできるのでとても人気があり混雑するエリアなので、できるだけ早く現地に着いていたいですね。
雨天の場合や、暑いのが苦手な人はワシントン大聖堂へ
独立記念日の風物詩とも言えるパレードは大いに盛り上がりますが、この時期のワシントンD.C.の気候は日本ほどではないものの、日中の気温は摂氏30度を超えることも珍しくなく、湿度もあるので、かなり蒸し暑く感じます。それに加えてパレードが行われる場所はアスファルトの道路で、観客はコンクリートの歩道で立ちっぱなしなので地面からの照り返しも相当なものです。
また、夏は日本でも雷雨の時期ですが、ワシントンD.C.でも雷雨が発生する確率が高いので、パレードを観に行くにはそれなりの下準備が必要です。
そこでオススメなのが、ワシントン大聖堂で行われるコンサートです。
コンサートはパレードと同じ時刻の11時から始まり、約2時間弱ですが、石造りの建物の中なので、真夏でも涼しく、参加者全員座ることができますので、快適にコンサートを愉しむことができます。
コンサートの後は夕方の5時まで開放されていますので、大聖堂の中や南側に広がる司祭の庭園をじっくり見学したり、売店やカフェなどもあるので、地元住人のように敷地内を散歩しながらゆっくり過ごすこともできます。
大聖堂は観光の中心であるナショナルモールからだいぶ離れていて、住宅街に建っているのでアクセスに多少不便ですが、その分周りが静かで落ち着いて観光を愉しむことができます。ただし、大聖堂でコンサートを愉しむ場合も、良い席から無くなっていきますのでできるだけ早めの行動をとることをお勧めします。
国立公文書館も必見の価値アリ
独立記念日というとパレードやコンサートなどのイベントに目が行きがちですが、この日に是非とも行っておきたい場所の一つに国立公文書館があります。
そこには1776年7月4日に採択された独立宣言書の原本が展示されており、事前の予約なしで誰でも無料で観に行くことができます。そのほかにも合衆国憲法や人権宣言など、建国にまつわる貴重な資料が数多く展示されています。
ただし、内部の写真撮影は禁止されていますので、どうしても記念に残したい人はミュージアムショップでレプリカを買っておきましょう。
独立記念日にはもちろん、ワシントンD.C.を訪れたらぜひ行っておきたいですね。
独立記念日のシメはやはり花火鑑賞
この日は全米で花火が打ち上げられますが、ワシントンD.C.で花火を観るならばナショナルモールで鑑賞するのが良いでしょう。打ち上げ場所はワシントン記念塔とリンカーン記念堂の間にあるリフレクティング・プールでリンカーン記念堂側からはワシントン記念塔を、ワシントン記念塔側からはリンカーン記念堂をそれぞれバックに花火を鑑賞することができます。
ただ、これらの場所も人気があるので、当然のことながら早めに行動した方が良いでしょう。
比較的静かな場所で見たい場合はホワイトハウス北のペンシルヴェニア通りか、ジョージタウンのウォーターフロント・パーク、もしくはポトマック川を渡ってヴァージニア州のアーリントン側からの鑑賞をオススメします。
独立記念日は早めの行動で充実した1日を
アメリカの三大祝日の一つである独立記念日は、全米はもとより、世界中から観光客が押し寄せ、大いに盛り上がります。そのため、事前に参加したいイベントの下調べをすることでより効率良く、充実した1日を過ごすことができます。
また、この時期は日照時間が長いので、いつもよりちょっとだけ早く起きて散歩したり、朝食を取りながらその日の計画を立てるのも良いですね。その場合も事前の下調べがあると、1日の始まりがとても充実したものになるでしょう。
独立記念日を首都で過ごす醍醐味を味わってみてはいかがでしょうか?