ワシントンD.C.の定番観光スポットであるホワイトハウスの北側に、こじんまりとしたイタリア・ルネサンス建築の建物があります。
そこは世界中からの政府要人が宿泊する事もあるホテルで、第44代大統領バラク・オバマと家族がホワイトハウスに入る前に宿泊したことでも知られています。
また、一部の部屋からはホワイトハウスや大統領の教会として知られているセント・ジョンズ教会も臨むことができ、世界中から多くの観光客を魅了しているホテルでもあります。
今回はワシントンD.C.の中心地にある老舗ブティックホテル、ヘイ・アダムスの魅力に迫りたいと思います。
1928年建設の邸宅を改装して作られた5スターホテル
ホワイトハウスの近くにあるヘイ・アダムスは1928年に建てられたイタリア・ルネサンス建築の邸宅を改装したブティックホテルで、外観はもちろんのこと、一歩中に入った瞬間至る所でホテルの歴史を感じることができます。
ホテルの名前であるヘイ・アダムスは二人の人物からとられていて、一人は第16代大統領エイブラハム・リンカーンの私設秘書で、後に国務長官となったジョン・ヘイ、もう一人は第2代大統領ジョン・アダムズと第6代大統領ジョン・クインシー・アダムズの子孫で作家のヘンリー・アダムズに由来しています。
現在は世界中の最高級ホテルが加盟するホテルグループ、リーディング・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(LHW)に加盟し、歴史と伝統を感じさせる関内設備とともに、業界最高水準のホスピタリティを提供しています。
このLHWには日本ではパレスホテル東京、ホテル・オークラ東京、ハレクラニ沖縄、そして日本のホテルの顔とも言える帝国ホテル東京があり、どこも一生に一度は泊まってみたい憧れのホテルが名を連ねています。
歴史を感じさせる趣のあるロビー
ホテルの顔であるロビーは、歴史を感じさせる深い茶色の木の壁とアーチ状の白い天井で構成された重厚感あふれる仕上げになっています。
壁や天井には細かい装飾が施されていて、天井には6つの大きなシャンデリアが吊り下げられています。
入り口を入って正面奥にエレベーターが2基、右手前にフロントデスク、左手前にコンシェルジェデスクがあり、どちらも24時間対応しています。両サイドにはソファとテーブルがそれぞれあり、ちょっとした待ち時間などに活用できます。エレベーターの左にある上り階段の奥はレストラン、ラファイエット・ルームで、エレベーターと上り階段の間にある細い通路にある扉を開けると下り階段が現れ、その向こうはバー、オフ・ザ・レコードになっています。
個性豊かな客室
ヘイ・アダムスは邸宅であった建物の特性を活かした個性豊かな客室がたくさんあり、宿泊客をもてなしてくれます。
客室に備え付けられているアメニティは全グレード共通で客室によって異なったりすることはありません。また、一番グレードの低いスーペリアルームでもホテルステイを満喫できるよう、窓の数が他の上位クラスの部屋よりも多かったり、中庭に面していたりと、さりげない心遣いを感じさせてくれます。
一方、最上級のフェデラル・スイートは独立した寝室と暖炉とダイニングテーブルを備えたリビングエリア、プライベートバルコニーからはホワイトハウスを望むことができる、贅を極めた客室になっています。
ホテル内にあるレストランとバーは大人の社交場
ヘイ・アダムスにはレストランとバーがあり、それぞれ格調高いおもてなしと雰囲気を演出しています。
レストラン、ラファイエット・ルームでは格式高い朝食、ランチ、ディナー、日曜日のサンデーブランチを愉しむことができます。
白を基調とした内装にクリーム色の程よい照明の中でいただく料理は味はもちろん、目でも愉しませてくれる、ラグジュアリーホテルならではのおもてなしを感じさせてくれます。
また、ディナーの時間帯はレストラン内にあるピアノで生演奏を愉しめる上、リクエストにも応じてくれます。
一方、ラファイエット・ルームの階下にあるバー、オフ・ザ・レコード・ラウンジはホテルの宿泊客はもちろん、宿泊客以外の人も気軽に入れる大人のバーといった感じになっています。
赤で統一されたラウンジにはバーカウンターやふかふかのソファを備え付けたテーブル席などがあり、好きな場所に座ってお酒や食事を愉しめます。
また、バーなので客同士で気軽に交流したり、ワシントンD.C.の中心らしく、政治の話で盛り上がるなど、ここでしか味わえない体験もできます。
日本でもお馴染み、ニュース中継のあの場所へ
日本のニュース番組でワシントンD.C.から中継を繋ぐ時、ホワイトハウスをバックに記者が中継するシーンを見ることがあると思いますが、あのシーンはヘイ・アダムスの屋上から撮られています。
ただし、こちらはイベント会場の一部になっていて、普段は閉鎖されているので、一般開放のイベント時でないと入ることができません。感謝祭やクリスマスの時期にはホテル主催のビュッフェなどが催されるので、そのタイミングで宿泊すればホテルの屋上からホワイトハウスを眺めることができます。
ニュース中継のように、ホワイトハウス を上から観れる場所は限られていますので、屋上に上がれる時に宿泊した際には、是非上がってみてはいかがでしょうか?
ホワイトハウスへのアクセスは市内でも随一
ヘイ・アダムスはホワイトハウスのそばに建っているので、手前のラファイエット広場が閉鎖されていない限り、ホワイトハウスへのアクセスは申し分なしです。また、ホテルの南側のH通りを少し西に進むとホワイトハウス歴史協会のお店や、ホテルの目の前には大統領の教会として知られているセント・ジョンズ教会もあります。
さらにホワイトハウスから東に行けばお土産屋さん、ホワイトハウス・ギフツもあるので、観光だけでなくショッピングにも好立地です。
ヘイ・アダムズの最寄駅は16番通りを北に進み最初の交差点を右に曲がってすぐのところにあるマクファーソン・スクエア駅でここからブルー、オレンジ、シルバーラインで市内やバージニア州などに簡単に行くことができます。
ブルーラインではアーリントン国立墓地や、レーガン空港、古都アレクサンドリア、シルバーラインではタイソンズコーナーやダレス空港へ行くことができ、マクファーソン・スクエアから1駅のメトロセンター駅でレッドラインに乗り換えれば、ユニオン駅や、デュポンサークル、アダムズモーガンなどにも行くことができます。
歴史ある5スターホテルで一流のおもてなしとラグジュアリーなひと時を
ヘイ・アダムスはワシントン市内に数多くある5スターホテルの中でも最も歴史があり、伝統と格式を大切にしている数少ないホテルの一つです。
また、あの帝国ホテルが加盟しているリーディング・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(LHW)のメンバーでもあるので、スタッフのおもてなしは最高水準です。
一流のサービスを提供しているホテルには常に一流の人たちが世界中から集まりますので、そういった世界を体感したい場合には、一流のホテルに宿泊して彼らの立ち居振る舞いを間近で見るのが一番の方法です。
海外旅行には多額の出費がつきもので、つい安宿をとってしまうことが多いかもしれませんが、ホテルに投資して一流のサービスを体感するのもまた海外旅行の醍醐味ではないでしょうか?