ホワイトハウスの南側に佇む一風変わった記念碑、「ゼロ・マイルストーン」。本来は道路の起点を示すものとして知られるゼロ・マイルストーンですが、ここでは歴史的な出発点や全米を縦横に結ぶ自動車部隊の起点としての役割を果たしていたことに触れます。この特別な起点碑は、グッドロード運動の提唱者であるS.M.ジョンソン博士によって考案され、建築家ホレス・W・ピーズリーによって設計・建設されました。
ホワイトハウスの前に立つ起点碑、ゼロ・マイルストーン
本来のゼロ・マイルストーンの意味は、道路の距離を測るための起点を意味しますが、ここワシントンD.C.のホワイトハウス前にあるゼロ・マイルストーンは、起点碑として立っています。ゼロ・マイルストーンの側面の東側に第二次大陸横断自動車部隊の出発点、西側には第一次大陸横断自動車部隊の出発点と記されていることから、大きな自動車部隊の出発起点であったことがわかります。
また、南側には全米を網目のように張り巡らされている州間高速道路のワシントンD.C.からの距離を測るための起点、北側にはモニュメントの名前であるゼロ・マイルストーンと刻まれています。
ゼロ・マイルストーン上部にあるコンパスローズ
この記念碑の上部には、青銅で作られた16方位のコンパスローズがあります。16方位のコンパスローズは主に、海図上で使用されていたもので、現在の船員が使っているコンパスの原形です。またその中央には円盤状の構造物があり、その中央部にある小さな丸い点は、国立測地測量局のベンチマークとして使われています。
ゼロ・マイルストーンの考案者
ゼロ・マイルストーンはグッドロード運動の提唱者であるS.M.ジョンソン博士によって考案されました。ジョンソン博士は設計と建設のために寄付を集めて建てようと、ワシントンD.C.の対岸にある海兵隊戦争記念碑を設計した建築家である、ホレス・W・ピーズリーに依頼し、約2フィート四方で高さ4フィートの起点碑ができました。
ホワイトハウスの南側を訪れたら是非とも見ておきたい起点碑
ホワイトハウスを南側から撮影する多くの人が、ゼロ・マイルストーンの周りには大勢いますが、この起点碑を通り過ぎてしまう人が少なくないかも知れません。記念撮影時にはぜひゼロ・マイルストーンも入れてホワイトハウスを撮ってみるのも良いかもしれません。