ワシントンD.C.はアメリカ合衆国のどこの州にも属さない特別区に指定された都市です。その歴史は古く、建国時代に遡ります。
そこで今回はワシントンD.C.の歴史とそれを見える形で体感することが出来るキャピトル・ビジターセンターについて紹介します。
ワシントンD.C.の都市計画は建国時の最大プロジェクト
ワシントンD.C.の歴史は、1788年に発効されたアメリカ合衆国憲法第1条8節第17項によってアメリカ合衆国の首都を建設する権限が与えられたことに始まります。
2年後の1790年、初代大統領ジョージ・ワシントンによってポトマック川とアナコスティア川が合流する現在の場所が選定されました。その時、既に独立した市になっていたジョージタウン市と現在のヴァージニア州にあるアレクサンドリア市が大統領に敬意を表し、ワシントン市となりました。
ワシントンD.C.の都市計画はフランス人建築家、ピエール・シャルル・ランファンの都市構想に基づいています。彼はバロック様式の都市を基に計画を作成しましたが、その都市計画は今日キャピトル・ヒルと呼ばれているジェンキンス・ヒルを中心として、放射状に大通りが伸び、それらが交わる地点には環状交差点を配置するという、現在の町並みに非常に近いものでした。
しかし、20世紀初頭になると乱開発や都市そのものがスラム化したことを受け、ランファンの都市計画によって作られた町並みは一変してしまいました。
そこで1900年、当時連邦上院議員であったジェームズ・マクミランを中心に両院合同協議会が設置され、ワシントンD.C.の再開発が行われ、現在のナショナルモールを中心とした公園都市としての街づくりが行われ、そこにリンカーン記念堂をはじめとした記念碑がたくさん建造されることになったのです。
ちなみに、建国当時に首都の一部になっていたポトマック川の南側は南北戦争時代にヴァージニア州に返還されたので、アレクサンドリア市とその北にあるアーリントン市は現在ヴァージニア州になっています。
ワシントンD.C.の歴史を体感するにはキャピトル・ビジターセンターで
アメリカ合衆国、そしてワシントンD.C.の中心であるキャピトル・ヒルには合衆国議会議事堂が建っています。建物中央にそびえ立つ巨大なドームと南北に伸びる上下両院の建物は圧巻で、外から観ているだけでも飽きることはないでしょう。
しかし、この議事堂は実は中に入ることができるのです。しかも入館方法はホワイトハウスに入るよりも非常に簡単で、議事堂の東広場の地下にあるビジターセンターで簡単な手続きをするか、事前にインターネットで予約すれば誰でも気軽に中に入ることができます。
そんな簡単に入れる議事堂ですが、地下にあるビジターセンターにはパビリオンが併設されていて、ワシントンD.C.の歴史を模型で体感できるのです。
建国時のただ丘と湿地が広がる場所から、徐々に建物が作られ、今日に至るまで順番に展示されているので、ワシントンD.C.の歴史を見える形で学ぶことができます。
ただし、パビリオンの内部は写真撮影が禁止されているので注意しましょう。
ワシントンD.C.の中心で歴史を学ぶ
ワシントンD.C.は当時としては最先端の技術を結集して作られた極めて画期的な計画都市でした。その面影は現在も至るところに残されていて、ワシントンD.C.を訪れる多くの人を魅了し続けています。
街の歴史を知ることで、実際に旅をした時により深く愉しめるので、ワシントンD.C.に行ったらまずキャピトル・ヒルに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?