ワシントンD.C.にある代表的な記念碑といえばリンカーン記念堂やワシントン記念塔などを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、合衆国の歴史を語る上で欠かせない人物のひとりに第3代大統領トーマス・ジェファーソンがいます。彼を記念して建てられたのがジェファーソン記念堂で、ワシントンD.C.のランドマークの一つになっています。
今回はジェファーソン記念堂と彼の功績について紹介していきます。
どこにある?ジェファーソン記念堂の場所
ジェファーソン記念堂はワシントン市内で最も高い建造物、ワシントン記念塔のほぼちょうど南、タイダルベイスンを挟んで南側、ポトナック川のすぐそばに佇んでいます。
ナショナルモールからはだいぶ距離があるので、日本からのツアー旅行などでは車窓観光のみで終わってしまうことが多く、なかなかじっくり観光する方は少ないのではないでしょうか?
古代ローマのパンテオンを思わせるような壮麗な佇まい
ジェファーソン記念堂は円形にかたどられたイオニア式列柱とそれを覆うドーム、そして正面はパルテノン神殿を思わせるようなファサードで形造られていて、まるで古代ローマ時代に建てられたパンテオンを思わせるようなデザインになっています。
建物の中に入ると中央に高さ6メートルにもなる銅製のジェファーソン大統領の立像があります。周囲には彼が残した手紙や彼の伝記などの文章が抜粋されて刻まれていますが、中でも注目したいのが独立宣言です。
「すべての人間は平等に造られ、自由と正義と幸福を追求する権利を有する。」と唱えた彼の言葉は今日に至るまで合衆国の礎となっています。
建物の天井は円形のドームになっていて、壮麗な佇まいからそこを訪れる人は古代民政ローマと合衆国の建国史に想いを馳せることでしょう。
ジェファーソン記念堂の北に広がる広大な水たまりと、その周囲にある桜の木
ジェファーソン記念堂は北向きに建てられており、大統領の立像は北を向いています。その視線の先には広大な水たまり、タイダルベイスンが広がっていて、風がない日は水に映り込む記念堂を眺めることができます。「ベイスン=水たまり」ですが、その規模は水たまりと言うよりも、小さな湖に近い規模です。
周囲には1912年に日本から送られた桜の木が植えられていて、毎年開花の時期になると桜祭りが開かれます。桜祭りと言っても、日本のように場所をとって宴会をするのではなく、歩きながら桜の花を楽しむ、正にお花見といったスタイルです。
ジェファーソン記念堂からタイダルベイスンを眺めると、その先にはワシントン記念塔が若干右側(東側)にずれて見え、その奥にはホワイトハウスを眺めることができます。リンカーン記念堂と同じく、ジェファーソン大統領の立像の視線の先にも、政治の中枢機関があり、耐えず見守っているのです。
ナショナルモールからは遠い、ジェファーソン記念堂へのアクセスは乗り降り自由の観光バスか自転車で
合衆国の歴史において欠かすことのできないジェファーソン大統領、彼を記念して建てられたジェファーソン記念堂へのアクセスは乗り降り自由の観光バスか、市内の至る所に設置されているバイクシェアを利用するのが良いでしょう。
観光バスのチケットは現地でも購入できますが、日本でも入手することができます。チケットの種類は1日分と2日分がありますが、2日分のチケットを買うと通常有料のナイトツアーが無料でついてきます。
ワシントンD.C.に2日以上滞在する方は2日分購入して、昼と夜の両方でジェファーソン記念堂を愉しむことができます。しかも、ジェファーソン記念堂はナショナルモールから離れているので、リンカーン記念堂などに比べると人の数が少ないので、自分のペースでゆっくりと過ごすことができます。
ジェファーソン記念堂を訪れて、合衆国の建国時代と彼の思想に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?