アメリカの司法の中枢に位置する、重厚で荘厳な建造物、それがアメリカ合衆国最高裁判所の建物です。歴史の証人とも言えるこの建物は、法の拠点としてだけでなく、建築美と歴史的な価値を兼ね備え、多くの人々を魅了しています。本記事では、その誇り高き建物が抱える歴史や興味深い事実に迫りながら、最高裁判所の神聖なる壁の内部へと一緒に旅してみましょう。
コリント列柱が古代ギリシア神殿を思わせる合衆国最高裁判所
合衆国最高裁判所は、パルテノン神殿をモチーフに造られており、正面玄関はコリント式列柱によって三角形の屋根ペディメントを支えた造りになっており、その外観はまるで古代のギリシア風建築を彷彿とさせます。
建物は、キャス・ギルバートによって設計されており、4階建てのビルで全体を大理石で覆われています。
正面に鎮座する正義と法の像
合衆国最高裁判所の正面玄関の左右には、正義と法の像があります。左側には書物の上に左腕を載せた女性の像で「正義」を表しています。右側には彫刻家のジェームズ・アール・フレイザーの男性像があり、「法の権威」を表しています。
建物を彩る数々の彫刻にはモデルが存在した
ペディメント部分にある彫刻の人物達にはモデルがいて、裁判長や大統領、上院議員に建築家まで、裁判所に関わりのあった実在する人物に似せて彫られています。それぞれの彫刻の人物像や意味を知ってから観賞するのも、観方が違ってきます。正面玄関は西側ですが、裏である東側のペディメント部分にも議員の彫刻が施してあり、観光客は見ることがないのがもったいないほどです。
法廷が開かれていない時は見学が出来る
合衆国最高裁判所ビルは、合衆国の休日と祝日以外の月曜日から金曜日は、一般に公開されています。入場は無料で、展示や裁判所の紹介ビデオや、口頭弁論の傍聴も出来ます。カフェテリアや土産物やもあるので観光客にも人気です。