ワシントンD.C.にある邸宅美術館、クリーガー美術館は、モネやピカソなどの印象派から現代アートまで、幅広いコレクションが充実していることで知られています。建物自体も注目を集める、コンクリート造りのモダニズム建築で、個人邸宅としてプライベートな雰囲気を醸し出しています。
今回は、そんなクリーガー美術館について、詳しく紹介していきたいと思います。
クリーガー美術館について
クリーガー美術館のオーナーであるデイビッド・ロイド・クリーガーは、保険会社「GEICO」のオーナーでもあり、18世紀後半からの印象派アート以降の近代アートのコレクターでもありました。美術館としてのオープンは、彼が亡くなった後の1994年になります。
クリーガー美術館の魅力と見どころ
クリーガー美術館には、モネやピカソ、ゴッホ、シャガールなど、1850年以降の印象派から現代アートまでの作品が展示されています。特にモネの作品は9点も展示され、必見です。また、美術館の庭にはヘンリー・ムーアやイサム・ノグチらの彫刻作品も展示されており、美術館の外観にも注目が集まっています。
クリーガー美術館は、そのコレクションだけでなく、夫妻が愛した音楽にも関連するエピソードがあります。
実は、クリーガー夫妻は音楽好きで、美術館内でコンサートを開催することもあったそうです。この美術館は、夫妻が住んでいた家を美術館に改装したもので、音楽会を開くことも考えて建設されたそうです。
クリーガー夫妻は、美術品をコレクションするだけでなく、音楽の収集家としても知られていました。美術館内には、ホールやステージがあり、彼らが所有していたピアノや、その他の楽器も展示されています。
コンサートは、夫妻が所有していたピアノや音楽機器を使用して行われたそうで、コレクションと一緒に音楽も楽しむことができたのです。
現在でも、「クリーガー美術館」では特別イベントとしてコンサートが開催されています。夫妻が大切にしていた音楽文化を継承しながら、美術館としての役割を果たしているのです。
ジョージタウンの北西に位置する邸宅美術館
ワシントンD.C.の美術館といえば、ナショナルギャラリーなどが有名で多くの観光客が訪れますが、こちらのクリーガー美術館は観光スポットが建ち並ぶエリアからはだいぶ離れたところにあるため、知る人ぞ知る穴場スポットです。
美術館へ行くにはバスが便利で、ユニオン駅からアクセスする場合、駅の前から出ているバス、シブリー記念病院行きに乗車し、42駅先のフォックスフォール通りとグリニッジ通り停留所で降車します。そこから北に徒歩約20分でクリーガー美術館に到着します。
観光客にとって非常に不便な立地ですが、その分心ゆくまで芸術鑑賞を愉しめます。