21世紀に入り、技術の進化は文化と歴史の保存・発信手段に大きな変革をもたらしました。その中でも、スミソニアン歴史博物館は前例のない規模でオンライン展示物を提供しています。360度のバーチャルツアーから始まり、テクノロジーを活用した3Dデジタル化が特筆されます。オブジェクトの距離測定や照明の調整、断面の表示、背景色の変更などが可能な3Dビューア機能を通じて、館内の歴史的な展示物に没入できることは、まさに革新的な体験です。
前例のない規模のオンライン展示物、テクノロジーで3Dデジタル化
スミソニアン歴史博物館では、360度の角度から館内を見ることが出来る「バーチャルツアー」を無料で鑑賞することが出来ます。また2Dデータだけでなく、テクノロジーで3Dデータも無料でダウンロードが可能です。この3Dビューア機能では、オブジェクトの距離を測ったり照明も調整できます。また断面を見たり、背景色の調整や地面を追加したり、古い展示画像も見ることが出来ます。
3Dスキャンでよみがえるスミソニアン歴史博物館の文化遺産データ
3Dコンテンツプラットフォームの「Sketchfab」は世界27の文化機関とコラボして、高品質の3Dスキャン技術を利用し、自社のオンラインプラットフォームから文化遺産をデータ化してパブリックドメインで公開しました。文化機関の中でも一番多くの展示物をスミソニアン博物館は公開していて、これらの画像は、誰でも許可なく利用することができ、複製や修正も可能です。
スミソニアン歴史博物館には初代Macをはじめ、Apple関連の製品が多くコレクションされている
前例のない博物館のオンライン化の背景には、アメリカにおける技術革新の歴史があり、実際の博物館には歴史に名を刻んだ技術端末が多く展示されています。
スミソニアン博物館群の国立アメリカ歴史博物館には、1984年にアップルから発表された初代のマッキントッシュ・クラシック・パーソナルコンピューターが展示してあります。ほかにもアップル関連の製品は数多くコレクションされていて、最新のものではイヤホン搭載のiPodが寄贈されました。そのためここだけで初代MacからiPodまで、コンピューターの歴史を見ることが出来ます。
また、2001年9.11テロの後には、世界貿易センターでApple Power Book のACアダプターが見つかり、それもスミソニアン博物館群はコレクションに加えました。
アップル以外の端末としては、ソニーのウォークマンや任天堂の初代ゲームボーイなど、日本人にとって馴染み深いものがあります。
お金の歴史でみる 初期のクレジットカード
テクノロジーの歴史は、私たちの日常に大きな変化を与えます。特に今日の生活に欠かすことのできないクレジットカードには、テクノロジーの発展が大きく関わっています。
「お金の物語」では、17世紀から現在までの硬貨や通貨についての展示もあります。そこには初期のクレジットカードもあり、アメリカの発展の中でのお金の変化を見ることが出来ます。硬貨やクレジットカードのデザインの変化などから歴史を感じられるので、アメリカの歴史の背景と照らし合わせて見ていくと良いですね。
スミソニアン歴史博物館の先進的テクノロジー展示:360度バーチャルツアーと3Dデジタル化で歴史と文化に没入
スミソニアン歴史博物館のオンライン展示物は、先進的なテクノロジーを駆使し、360度のバーチャルツアーや3Dデジタル化などを通じて歴史と文化に没入する新しい手段を提供しています。文化遺産データの公開や博物館が誇るテクノロジーの歴史コレクションは、世界中の人々に開かれた形で利用され、歴史や技術の進化を継続的に探求する場を提供しています。アメリカの技術革新から日本の馴染み深いテクノロジーまで、多岐にわたる展示は、私たちの生活におけるテクノロジーの進歩とその歴史を理解する上で貴重な資源となっています。