アメリカの「州」は日本の「都道府県」ではない、日本の「都道府県」に相当する行政区とは

最高裁判所その他
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アメリカには50の州と1つの行政特別区があります。

アメリカに州があることはほとんどの日本人が知っていますが、行政特別区に関しては州よりも知名度が低いため、中には知らない日本人もいるのではないでしょうか。

また、多くの日本人はアメリカにある州は日本でいうところの都道府県に相当すると考えているようですが、これは大きな間違いでアメリカの「州」と日本の「都道府県」はまったくの別物で、それにははっきりとした理由があります。

今回はアメリカの「州」と日本の「都道府県」の違いと、行政特別区について紹介します。

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アメリカの「州」は日本そのもの、州の成り立ちについて

フィラデルフィアの上院議場

日本には47の都道府県が存在しており、それぞれの都道府県は日本という国家のもとで対等な立場にあります。

一方、アメリカには50の州と1つの行政特別区がありますが、州と行政特別区の立ち位置は対等ではありません。

また、各州にはそれぞれ独立した行政機関があり、全ての州で独自の憲法を施行しています。

このため、アメリカにある各州は日本と同じような国家であり、アメリカという一つの大きな国の中に50の独立した国家が入っていて、それらを束ねる1つの行政特別区があるということができます。

ただし、この説明はあくまでも日本人に分かりやすいように書いたもので、アメリカ人の感覚とは少し異なっていますので、ここからはアメリカ人的発想で「州」の立ち位置について紹介したいと思います。

そもそも「州」は国家としてそれぞれ独立するはずだった

フィラデルフィアの下院本会議場

アメリカ合衆国を英語で表記すると”the United States of America”となります。

一方でアメリカの州は英語で”State”と言います。この”State”はそもそも「国家」という意味があり、現在でもパプアニューギニアやサモアなど、一部の国の正式名称で”State”が採用されています。

先ほども紹介した通り、現在アメリカにある全ての週には独自の憲法があり、そのもとで独立した政府機関があります。

これはそもそもアメリカがイギリスから独立するとき、アメリカとしてではなく、当時アメリカ大陸にあった13の植民地、”13 Colonies”がそれぞれ別の国家、”13 States”として独立するため、一致団結して戦ったという歴史から来ています。

しかし、当時の植民地は13の国家として独立したままだと対外的に弱い立場になってしまうという懸念が生じ、そこから13の国家、”13 States”を束ねる緩やかな連合体、”United States”を形成し、連合体として外交を行おうという考えが生まれました。

これに伴って各州を束ねる緩やかな連合体,、”United States”が対外的に国家として承認されるために合衆国憲法を制定し、それを各国家が批准し合衆国に加盟することでアメリカ合衆国、”the United States of America”を形成し、現在に至っています。

この歴史から、アメリカの「州」は今でもある種の独立した「国家」であり、アメリカ合衆国はそれぞれの「州」があってこその存在であるということができます。

アメリカ合衆国の首都建設と中立性の確立

合衆国憲法と星条旗

緩やかな連合体としてのアメリカ合衆国には外交を行う上で首都の建設が必要となり、1789年ニューヨークに置かれました。

しかし、南部の諸州から首都は南に置くべきという主張があり、最終的にメリーランド州とヴァージニア州が首都建設のための土地を割譲し、どこの州にも属さない行政特別区が制定され、そこにアメリカ合衆国の首都が置かれることになりました。

また、新しい首都建設にあたって国家としての州がそれぞれ対等な立場であることを保つため、首都が置かれる場所はどこの州にも属さない行政特別区が設けられることとなりました。

行政特別区に首都機能が移転されるまでの間、当時の首都が置かれていたニューヨークから暫定的な首都としてフィラデルフィアが定められ、1790年から1800年までの間、独立宣言が採択された場所に最高裁判所、隣接する建物に合衆国議会、その隣に大統領府が置かれ、現在の首都の原型が確立されました。

新しい首都の建設は初代大統領ジョージ・ワシントン指揮のもと、当時友好国として交易が盛んだったフランスの首都パリをモデルに、フランス人の建築家ピエール・ランファンによって都市の計画が進められました。

都市の建設はポトマック川の東にそびえる小高い丘、ジェンキンス・ヒルに新しい議会を建設し、そこを中心として東西南北にグリッド状の道路を建設、新しい行政府(現在のホワイトハウス)は議会から見て北西の位置に建設することが定められ、議会と行政府を結ぶ直線の大通りを建設、また、議会と行政府それぞれを中心に放射状に大通りを伸ばし、大通り同士が交差する場所には円形状の広場が建設されることになりました。

このとき、大通りの名前は合衆国に加盟する州の名前を割り当てることとなり、議会と行政府を結ぶ通りは合衆国建国に重大な貢献をしたフィラデルフィアがあるペンシルヴェニア州の名前が割り当てられることとなりました。

日本の「都道府県」に相当する行政区はアメリカにあるのか

アメリカの「州」と「行政特別区」の立ち位置はこれまでに紹介した通りですが、日本の「都道府県」に相当する行政区は「郡」が相当します。

日本で「郡」というと都道府県の下にある行政区を連想しますが、アメリカでは州の下に郡、さらにその下に市が存在し、州が日本、郡が都道府県という立ち位置になります。

例えば独立宣言が採択された独立記念館がある場所はペンシルヴェニア州フィラデルフィア郡フィラデルフィア市で、これを日本に置き換えると日本東京都港区といった感じになります。

ちなみにワシントンDCの正式名称はワシントン・コロンビア特別区ですが、これはアメリカ式表記に準じたもので、日本的に住所表記するとコロンビア特別区ワシントン市になります。

また、ワシントンDCはどこの州にも属していないので、対外的な国家であるアメリカ合衆国の直下に「州」でも日本の「都道府県」でもない行政特別区が割り当てられています。

日本とアメリカにおける行政区まとめ

日本アメリカ
国連承認国日本国
Japan
アメリカ合衆国
United States of America
単一国家
State
行政区1都道府県
Prefecture
郡(カウンティ)
County
行政区2市、郡(町、村)
City, District (Town, Village)

City

「州」あってこそのアメリカ

日本は単一国家で直下に都道府県が存在しているため、国の中に別の国があるという感覚は考えられないことですが、アメリカには広大な合衆国の中に50の独立した国家と1つの行政特別区があります。

さらに厳密に言えばこれらの国家とはまた別に先住民のための特別区も存在し、それらも独立した国家として認められているため、実際には数え切れないほどの国家が一つの国の中にあるということになります。

これらの国家で構成される合衆国の首都は、加盟する国家の平等を維持するため、どこの州にも属さない特別なエリアに置かれ、中立性を保っています。

ワシントンDCに行くということは、合衆国が対外的に国家として承認されるべく建設された特別な場所に行くということになります。

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