2020年大統領選挙で民主党のバイデン氏が次期大統領に決定した事を受け、大統領のお膝元ワシントンD.C.では歓喜の声に沸いています。
ホワイトハウスから北に伸びる16番通りではコロナ禍にもかかわらず、多くの人で埋め尽くされ、辺り一帯は祝福ムード一色に包まれています。
こちらの16番通りは2020年5月25日、ミネアポリスの路上で警察官に押さえ込まれ息を引き取ったジョージ・フロイドさんの事件に対する抗議の舞台となり、路上にはBLACK LIVES MATTERの文字が大きく描かれた場所でもあります。
約半年前は人種差別に対する抗議の舞台となった場所が、現在では新大統領誕生を祝福する希望の場所となっていて、いかにこの場所が市民にとって大切な場所であるかが伺い知れます。
新大統領誕生により活気付くワシントンD.C.
ワシントンD.C.は全米のどの州にも属さない行政特別区として知られています。
また、一つの特別区に一つの市のみが存在しているため、同じ行政区内で違う選挙結果が出ることはありません。
今回の大統領選挙でワシントンD.C.に割り当てられた大統領選挙人は三人ですが、民主党のバイデン候補の得票率は93.3%、対してトランプ候補の得票率は5.2%と民主党の圧勝に終わり、市民の世論がそのまま反映された形となったため、街中が祝福ムードで溢れ返ることとなりました。
そもそもワシントンD.C.は合衆国建国から南北戦争を経て19世紀後半ごろまで、工業によって発展を遂げてきたため、共和党の地盤でしたが、20世期に入った頃から産業の転換や移民の流入などに伴い、多様な価値観が共存するようになったため、よりリベラルな立場を取る民主党の地盤へと変化してきた歴史があります。
2010年の国勢調査によると、ワシントンD.C.の人口構成は50.7%がアフリカ系アメリカ人、38.5%がコーカサス系、9.1%がヒスパニック、4.4%が先住民族、3.5%がアジア系、2.9%が混血となっていて、これだけ見ても一つの街に様々な価値観を持った人が住んでいるということがわかります。
このような多様性が存在している街では必然的にリベラルな立場を取る民主党を支持する人が増え、旅行者にとっても現地で違和感なく溶け込みやすいというメリットがあります。
日本人は大人数で固まってしまうことが多いため、比較的すぐに観光客だとバレやすいですが、2、3人で街を歩く際、日本語で会話していない限り観光客に見られる確率はほとんどありませんし、一人でいる場合は逆に地元住人に間違われることさえあるくらいです。
ホワイトハウスにファーストドッグが帰ってくる?バイデン次期大統領の愛犬とは
ホワイトハウスのマスコット的存在として知られるファーストドッグですが、現職のトランプ大統領は極度の潔癖性から就任以来ホワイトハウスにファーストドッグはいません。
対してバラク・オバマ第44代大統領はポルトガル・ウォーター・ドッグのボー、ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領はスコティッシュテリアのバーニー、ビル・クリントン第42代大統領は焦げ茶色のラブラドールレトリバーのバディーをそれぞれ敷地内で飼っていました。
バイデン次期大統領は2頭のジャーマンシェパードを飼っていて、それぞれチャンプとメジャーと呼ばれています。
チャンプは2008年から飼われていて、メジャーは2018年、動物保護施設から引き取られましたが、バイデン陣営は保護施設から引き取られた犬がホワイトハウスで暮らすのはメジャーが初めてだと話しています。
コロナ禍に差し込む一筋の希望の光となるか、バイデン次期大統領
新型コロナウイルスが蔓延し、世界中が混沌としている最中、バイデン候補が次期大統領に選出され、お膝元であるワシントンD.C.は祝福ムードで溢れかえっていますが、市民の望みが実現するにはまだまだ時間を要するのが現状です。
バイデン氏の当選によるワシントンD.C.、アメリカが歩む今後の動向に目が離せません。