ホワイトハウスは、世界でもその名を知られる邸宅の一つです。誰しもテレビなどで一度は見たことがあるでしょう。このホワイトハウスは一般向けにも観光ツアーを定期的に開催しています。歴代の大統領が歩いた回廊や各国からの来客をもてなした広間など、普段はあまり知られないホワイトハウス内部の見学が可能です。南側のバルコニーはもちろん、正面玄関の部分も壮麗。そこで今回は、ホワイトハウスの正面玄関の外側と、ホワイトハウスに負けず劣らず重厚な建物のアイゼンハワー行政府ビルについてご紹介します。
イオニアモダン式列柱に圧倒!
ホワイトハウス北には正面玄関となる北ポルティコ(中廊式玄関)があり、この玄関を出るとイオニアモダン式列柱に圧倒されます。フェデラルスタイルを保ちながら、建物のオリジナルデザインに合わせた作りが特徴的です。ヴィクトリア時代の終わり頃には、ルイ・C・ティファニーによって窓にティファニーグラスが設置されたこともあります。しかし、1902年に改修が行われた際に取り除かれました。
眩しいくらい白い壁面は実は限りなく純白に近いクリーム色、これは晴天の空を背景にした時、光の加減で青みがかって見えないようにする工夫で、これによって白が非常に映えます。良く見ると、繊細な装飾も見つけることが可能です。なお、天気が良くない時には正面の玄関に小さいガラスの連廊が設置されます。これは、エントランスホールに冷たい風が入り込まないようにするための配慮からです。
際立つ北ポルティコの壮麗さ
北ポルティコを背に一歩玄関を出れば、目の前には美しく整備された緑地が広がっています。左の奥にはアイゼンハワー行政府ビルが見え、正面にはペンシルヴェニア通りとラファイエット広場が見えます。
ホワイトハウスの南側と同様に、正面玄関側付近にも数多くの観光客が訪れ、写真撮影の場所としても人気です。遠景から眺めると生い茂った背の高い木々に囲まれるような形で、刈り揃えられた芝生の奥に見える北ポルティコの壮麗さが、一層際立って見えるでしょう。
ただし、見学者がいる時間帯は北側のペンシルヴェニア通りが封鎖されていて、一般の観光客がいないので、時間の許す限り間近で壮麗なレジデンスを眺めることができます。見学者は車道を通って出口専用の門から敷地の外に出た後、財務省の北側を通って一般エリアに合流します。
アイゼンハワー行政府ビルも見ごたえ十分
アメリカで大統領の警護に当たるシークレットサービスは、映画などの作品でも度々描かれますよね。6000人以上の職員が働いていて、特別捜査官と制服部隊、技術・管理部門からなります。この内、大統領の警護に当たるのは制服部隊です。彼らはホワイトハウス一帯の他、副大統領官邸、財務省、ワシントンD.C.内の在外公館の警備も担っています。
もちろんホワイトハウスに隣接するアイゼンハワー行政府ビルの警護も行います。アイゼンハワー行政府ビルは、副大統領のオフィスや行政管理予算局、国家安全保障会議事務局が入っており、建物が完成したのは1888年です。当時ヨーロッパで人気の高かった第二帝政期建築様式の建物となっています。大規模建築に最適な建築様式で、ここはアメリカ合衆国国定歴史建造物などに指定されています。広い敷地に建てられた重厚な建物は、外観だけでも見ごたえ十分です。
南側のバルコニーと同じくらい立派な中廊式玄関は必見
普段はなかなか目にすることができないホワイトハウス内の観光。南側のバルコニーはもちろん、正面玄関である北ポルティコは西洋独特の建築様式が美しい荘厳な佇まいを見学できます。圧倒的な存在感のイオニアモダン式列柱は、日本では珍しいので南側のバルコニーだけではなく、正面玄関付近で記念撮影をしている観光客も多いです。ワシントンD.C.旅行の記念に、ホワイトハウス観光を愉しんでみてはいかがでしょうか。