2021年大統領就任式の見どころについて解説

大統領旗 その他

2021年1月20日、バイデン次期大統領の就任式がワシントンDCの合衆国議会議事堂で執り行われます。

日本では21日の午前1時ごろからNHKで中継され、新大統領の就任演説がニュースなどで日本にどのような影響を与えるのかなどについて解説されます。

しかし、大統領就任式は就任演説だけでなく、国歌をはじめとしたアメリカにまつわる愛唱歌が演奏されたり、就任後にはパレードが行われたりと、華やかな1日となります。

そこで今回は大統領就任式をより愉しむために、主な見どころを紹介します。

就任演説だけではない、大統領就任式の流れ

合衆国議会議事堂

合衆国憲法修正第20条によると、大統領の就任は一般投票が行われる翌年の1月20日正午と定められています。そのため、就任式自体は同日の午前11時半ごろから始まります。

式典の会場は合衆国議会議事堂の西側、ナショナルモールに面した場所にステージが設営され、多くの市民が見守る中厳粛に執り行われます。

大統領就任式はアメリカのみならず、世界中のメディアが注目し、日本でも中継されます。そのため、1月20日に行われる就任式は多くの方が注目しますが、実際の大統領就任式は前日の1月19日から始まり、就任式直後の日曜日に終わるともいえます。

というのも、就任式が行われる前日、新大統領はリンカーン記念堂の前で前夜式に臨み、翌日議事堂前で就任式、式典後には彫像ホールでの昼食会、その後最初の執務となる議会での書類の署名、就任パレード、夜にはホワイトハウスでの公式晩餐会が行われ、そして就任式が行われた後の最初の日曜日にはワシントン大聖堂で市民礼拝が執り行われ、これらに全て出席するためです。

前夜式から就任式直前までの流れについて

次期大統領はリンカーン記念堂の前で市民に向けて演説し、その後花火が打ち上げられ、多くの市民に見守られながら記念堂の中に入っていきます。

式当日の朝、公式上初めてホワイトハウスに入り、ブルールームで現職の大統領や閣僚などと対面した後、北ポルティコからそれぞれ車で議事堂まで移動します。

大統領専用車

ちなみに、この時新しく就任する大統領が乗る車には「800-002」と書かれたワシントンDCのナンバープレート、もしくは青地に白い議事堂のドームが描かれた就任式用のナンバープレートがつけられますが、この時点ではまだ大統領に就任していないため、「USA1」ではなく大統領の数字のみが刻まれています。

議事堂までの道のりはホワイトハウスの敷地を出た後、イーストエグゼクティヴ通りを南下し、財務省の南側を通って商務省北側に面したペンシルヴェニア通りにでます。

そこからコンスティテューション通りを少し東に走った後、デラウェア通りとの交差点を右に曲がって議事堂の上院、地階に面した玄関に車が横付けされます。

そこから廊下を通って中央ドーム、ロタンダの真下に位置するクリプトの中心を通って右に曲がり、就任式の会場に入ります。

礼拝形式で行われる大統領就任式

合衆国議会議事堂

教会と国家の分離を憲法で掲げているアメリカですが、大統領の就任式に関しては大統領が信仰する宗教に応じて礼拝形式で執り行われます。

就任式の流れは次の通りです。

大統領就任式式次第

前奏:

ジョン・フィリップ・スーザ作『美中の美』

招きの言葉:

牧師や司祭によって聖書のみことばが語られる。

現職の副大統領入場:

『Hail Columbia』の演奏に合わせて会場入り。

現職の大統領入場:

『Hail to the Chief』の演奏に合わせて会場入り。

愛唱歌演奏:

『America the Beautiful』、『God Bless America』などが演奏される。

副大統領就任:

大統領に先立ち、新副大統領が宣誓を行う。

「私、[名前]は、合衆国憲法を国外と国内のすべての敵から擁護・防衛し、真の信義と忠誠を(憲法に対して)抱き、この義務を一切の心理留保や逃避の意図なく自由(な意志の下)に引き受け、私が就こうとする職責を良好にかつ信義をもって履行することを、厳粛に誓う(または確約する)。神よ照覧あれ。」

“I, [Name], do solemnly swear (or affirm) that I will support and defend the Constitution of the United States against all enemies, foreign and domestic; that I will bear true faith and allegiance to the same; that I take this obligation freely, without any mental reservation or purpose of evasion; and that I will well and faithfully discharge the duties of the office on which I am about to enter. So help me God.”

副大統領賛歌:

『Hail Columbia』

大統領就任:

1月20日正午、合衆国最高裁判所長官のもと、新大統領が宣誓を行う。

「私、[名前]は合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽して合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う(もしくは確約する)。神よ照覧あれ。」

“I, [Name], do solemnly swear (or affirm) that I will faithfully execute the Office of President of the United States, and will to the best of my Ability, preserve, protect and defend the Constitution of the United States. So help me God.”

大統領賛歌:

『Hail to the Chief』

祝砲:

『Hail to the Chief』が演奏される中、21発の礼砲が撃たれる。

大統領就任演説:

新大統領が市民に向けて就任後の演説を行う。

愛唱歌演奏:

『America the Beautiful』、『God Bless America』などが演奏される。

説教:

牧師や司祭によって説教が行われる。

牧会祈祷:

牧師や司祭による祈祷。

主の祈り:

牧会祈祷に引き続き、主の祈りが唱えられる。

「天にまします我らの父よ。
ねがわくは御名〔みな〕をあがめさせたまえ。
御国〔みくに〕を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、
地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧〔かて〕を、今日〔きょう〕も与えたまえ。
我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、
我らの罪をもゆるしたまえ。
我らをこころみにあわせず、
悪より救いだしたまえ。

国と力と栄えとは、
限りなくなんじのものなればなり。

アーメン。」

“Our Father, which art in heaven,
hallowed be thy name;
thy kingdom come;
thy will be done,
in earth as it is in heaven.
Give us this day our daily bread.
And forgive us our trespasses,
as we forgive them that trespass against us.
And lead us not into temptation;br/>but deliver us from evil.

For thine is the kingdom,
the power, and the glory,
for ever and ever.

Amen.”

国歌斉唱:

有名歌詞などによる国歌の斉唱。

後奏:

ジョン・フィリップ・スーザ作『星条旗よ永遠なれ』

*式典で演奏するオーケストラは大統領直属の海兵隊音楽隊が担当します。
*式典の内容は変更されることがあります。

就任式後の流れとペンシルヴェニア通りでのパレード

就任式が終わると参列者は一旦議事堂の中に入り、国立彫像ホールで昼食会に臨みます。

その後、新大統領は最初の執務となる議会の書類に署名を行いますが、その間議事堂の外では退任した正副大統領は議事堂の中央扉からイーストフロントに出て、そこに待機している海兵隊所属のヘリコプターに搭乗します。この時、すでに正副大統領の職を退いていますのでコールサインは『マリーン・ワン』ではなく、『エグゼクティヴ・ワン』となります。

ヘリコプターに搭乗した正副大統領はメリーランド州にあるアンドリューズ空軍基地に向かい、そこで多くの支持者に迎え入れられます。

正副の元大統領が議事堂を去った後、新しく就任した正副大統領が中央扉からイーストフロントに出てそこに駐車してあるシークレットサービス管轄のリムジンにそれぞれ乗車します。

この時に乗車するリムジンには「USA1」、またはワシントンDC管轄の「800-002」と書かれたナンバープレートが取り付けられています。

USA Today より

この流れの中、ジョン・フィリップ・スーザ作の『国の象徴』が演奏され、就任パレードが始まります。

パレードのコースはホワイトハウスから議事堂に向かってきたルートと同じで、デラウェア通りと議事堂に面した交差点からコンスティテューション通りを西に向かい、ペンシルヴェニア通りに差し掛かるとそこからホワイトハウスに向かってゆっくりと進みます。

途中数カ所にわたって大統領はリムジンを降りて市民に向かって手を振りながらペンシルヴェニア通りを歩きます。

商務省の北側に差し掛かると再びリムジンに乗車し、イーストエグゼクティヴ通りを北上し、ホワイトハウスの北側に向かいます。

北側に面したペンシルヴェニア通りに出ると、再び大統領はリムジンを降り、そこから徒歩でホワイトハウスに入ります。

その後、ホワイトハウスの北ポルティコからペンシルヴェニア通りに面して設けられた特別席で残りのパレードを視察します。

2021年大統領就任式の流れ

通常、このような流れで執り行われますが、2021年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って大幅に規模が縮小されます。

就任式は前夜式からパレードに至るまで、一般市民への公開を中止し、全てオンラインかテレビ中継などで観ることになります。

日本ではNHKで午前1時ごろから中継されます。

また、前夜式は新型コロナウイルスで犠牲になった方に向けての追悼式という形で行われ、20日の就任式自体も参列者は新旧の閣僚と上下両院議員、同伴者1名までとかなり縮小された形で執り行われます。

ちなみに、国歌斉唱は歌手のレディ・ガガによって行われ、その他式典中にはジェニファー・ロペスも出演することになっています。

就任後の昼食会は取り止めとなり、その後に行われるパレードもバーチャル形式で行われ、実際は通常の移動速度でホワイトハウスと議事堂の間を行き来する模様です。

終始目が離せない、大統領就任式

就任演説だけに注目されがちな大統領就任式ですが、ファンファーレや愛唱歌の演奏あり、パレードありと、華やかな一面もあります。

また、パレードが行われるペンシルヴェニア通りや議会議事堂など、ワシントンDC必見の観光スポットなので、旅行に出かける前に観ておけば大まかな土地勘も身につくでしょう。

行ったことがある方にとっては実際に歩いた道や観光スポットがテレビに映るので、より身近に感じるのではないでしょうか。

1月20日、日本時間21日未明に行われる大統領就任式に終始目が離せません。

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